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スマートウォッチで分かる血糖値の精度や搭載機能など詳しく紹介

スマートウォッチで分かる血糖値の精度や搭載機能など詳しく紹介

血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度で、食事をするたびに血液内に吸収する糖の濃度が高い人は、糖尿病として診断されます。

糖尿病は1型と2型に分けられますが、それとは別で妊娠中に糖の数値が上昇した状態を妊娠糖尿病と呼びます。

妊娠糖尿病は、一般的な糖尿病とは症状の重さや治療法がそれぞれ異なるのを知っているでしょうか。

妊娠中は胎盤から出るホルモンの影響で、糖を一定の量に抑える役割のインスリンが十分な働きができなくなるため血糖値が上がりやすい傾向にあります。

多くの場合出産後に血糖値は戻りますが、1型糖尿病と2型糖尿病は病状が進行すると、インスリン注射はもちろん食事療法や運動療法が必要な病気です。

糖尿病は生活習慣病のひとつで国内の糖尿病患者数は1000万人を超えており、合併症や適切な治療をしなければ死に至る場合もあります。

現在の医療で完治はできないため、現在療養中の人はもちろん糖尿病の予防のためにも血糖値のコントロールはしておくべきでしょう。

この記事でわかること
  • 血糖値測定をはじめとしたスマートウォッチに搭載されている機能
  • スマートウォッチの性能と正確性
  • 現在発売されているスマートウォッチの血糖値の精度

大手各社のスマートウォッチの機能や、開発中の企業のスマートウォッチについても紹介しているためぜひ参考にしてください。

目次

スマートウォッチは採血せずに血糖値が図れる便利な道具

スマートウォッチは採血せずに血糖値が図れる便利な道具

スマートウォッチは腕に付けるだけで簡単に血糖値が分かるため、痛みもなく健康管理をしたいミドル世代やシニア世代からも人気です。

通常、血糖値を測る場合は医療機関で採血して測定します。

さらに自宅で血糖値を測定できる方法として、下記のような方法があります。

  • 指先や手のひら、腕などに針を刺して血液を採取し測定器で測る方法
  • 針を刺してセンサーで血糖値の変遷を測定する方法

自宅にいながら血糖値が分かりますが、いずれも針を刺したり電池や器具を交換したりと苦痛や煩わしさを伴う方法といえるでしょう。

糖尿病は20歳以上の成人だけでなく、0~14歳の子どもの10万人に1.5~2.5人が発病しています。

スマートウォッチでの計測なら、針を体に刺す行為を好まない子どもの負担も軽減できます。

スマートウォッチは光を利用して血糖値数を出す仕組み

スマートウォッチは、内蔵されているLEDやレーザーの光が皮膚内で反射や散乱したのち受信した電気信号から、強さや波長を分析します。

現在販売されているスマートウォッチには光学式心拍センサー加速度センサーが搭載されており、血糖値以外にも心拍数や歩数などが計測できます。

スマートウォッチで正確な血糖値が計測できれば、インスリン投与の適切なタイミングや生活習慣の改善、糖尿病の予防にもなるでしょう。

さらに、針を使わずに計測できるようになれば痛みやストレスなど精神的な苦痛も解消できます。

【スマートウォッチの性能】血糖値を測る以外にも様々な数値を計測できる

スマートウォッチは血糖値にくわえ、下記のような数値も測れるため健康管理に最適です。

  • 心拍数
  • 睡眠時間
  • 消費カロリー
  • 歩数
  • 血中酸素
  • 血圧
  • いびきの検出

さらにスマートフォンと連携すると、下記のような機能も使いこなせます。

  • 音楽再生
  • タッチ決済
  • メッセージや服薬などの通知
  • スケジュールやデータ管理

計測できる数値や機能はスマートウォッチによって異なりますが、スマートフォンを取り出さずに時計ほどの小さい液晶画面で様々な計測や操作が完結します。

防水機能を搭載しているスマートウォッチも多く、生活になじみやすいのも魅力です。

【スマートウォッチの正確性】現在販売されているスマートウォッチで測る血糖値の精度は高くない

ここまでスマートウォッチの良い点や特徴を紹介しましたが、血糖値の精度はとても高いとはいえません。

アメリカでは米食品医薬品局が注意喚起するほど、未承認のスマートウォッチやスマートリングを使って糖尿病管理をしている人が多い傾向にあります。

未承認のスマートウォッチをはじめとする血糖値の計測機器は、手軽な価格でオンラインによって手に入ります。

正確な数値や服薬管理が必要な糖尿病の人は、手に入れたい人も多いでしょう。

しかし、現時点では国内外問わず医療現場や市販品を含め、血液を取らずに血糖値が測れる認可済みの機器はありません

糖尿病を患っている人の中にはインスリンや内服薬などが必要な人も多く、間違った血糖値の数値で適切な薬の量を投薬できず、危険な状態に陥ってしまう場合があります。

正確な数値やモニタリングが必要な人は、必ず医療機器での計測が良いでしょう。

大手の会社からスマートウォッチが展開されている

大手の会社からスマートウォッチが展開されている

国内医療機器メーカーやグーグル、アップルなど大手各社が展開しているスマートウォッチでは正確な血糖値は測れません。

しかし血糖値は測れないものの、心電図血圧の測定においてFDAや厚生労働省の承認があるスマートウォッチもあります。

現在開発中の企業や承認を待っている大手ブランドもあり、実用化に向けて進んでいるといえるでしょう。

また海外だけでなく日本の企業も、血糖値が計測できるウェアラブル機器の販売にむけて開発を進めているため今後の動きが注目されています。

一方で格安価格や大手ブランドを名乗った血糖値が測れる偽物も市場に出回っているため、糖尿病患者の人は購入しないよう注意してください。

Apple社のスマートウォッチは血糖値を測る機能はついていない

Apple社が展開しているスマートウォッチであるApple Watchでは、血糖値は測れませんが健康管理の質が上がるような下記の機能を搭載しています。

  • 心拍数
  • 不規則な心拍の心電図として保存できる
  • 酸素摂取量
  • 歩行指標
  • 転倒検出
  • 服薬の記録や管理

心拍数や心電図の精度は高く、管理医療機器として厚生労働省から承認を受けているのが特徴です。

血糖値を測定する機能はないものの、持続血糖測定器とペアリングができるため夜間の低血糖にも気づけます。

実際にアメリカでは、上記のApple Watchの機能によって血糖値を抑えられ命が助かった事例もあります。

血糖値測定機能が搭載されたスマートウォッチが開発中との噂があったものの、公式に発表はされていません。

Google社のスマートウォッチは血糖値を記録できる

Google社からはPixelwatchfitbitが発売されており、fitbit製品は国内外で販売停止となっています。

いずれも血糖値を計測できる機能は搭載されていませんが、アプリを通して血糖値を手動で記録できる機能が搭載されています。

くわえて、特定のデバイスやアプリからインポートして記録することも可能です。

その他にもGoogle Pixel Watchには下記のような機能が搭載されており、fitbitを買収したGoogleならではの健康管理に特化した機能が人気を集めています。

  • 心拍数
  • 呼吸数
  • 血中酸素濃度
  • ストレスマネジメントスコア
  • 歩数
  • 消費カロリー
  • エクササイズのデータを記録

Googleのスマートウォッチは身体反応や皮膚温が計測できる様々なセンサーを搭載しているため、ヘルスケアや健康管理に特化しているウェアラブル端末機器だといえます。

オムロン社は偽の販売情報で注意喚起している

オムロン社が展開しているウェアラブル端末機器は医療機器認証を取得した血圧計のみで、血糖値の測定はできません。

下記は、オムロン社の血圧計で計測できる数値です。

  • 血圧測定
  • 歩数
  • 脈拍
  • 歩行距離
  • 消費カロリー
  • 睡眠時間
  • 服薬時間のリマインド

日本高血圧学会が発行している高血圧治療のガイドラインにおいて、家庭用血圧計の測定方法に推奨されている間接測定法を採用しているため、正確な血圧測定が可能です。

オムロン社のウェアラブル機器で測定したデータは専用アプリにて管理できるため、血圧に問題を抱えている人には非常に便利なスマートウォッチといえるでしょう。

オムロン社名を使った偽のサイトや血糖値が測れる偽商品が販売されておりSNSを中心に公開されているため、オムロン社の公式サイトでも注意喚起をしています。

Samsung社は血糖値測定機能の開発を行っている

韓国のSamsung社は、スマートフォンGalaxyやスマートウォッチGalaxy watchを販売している会社です。

Samsung社のスマートウォッチは、血糖値を計測できる機能は搭載していませんが以下の数値を計測できる機能を搭載しています。

  • 心拍数
  • 発汗量
  • 血圧
  • 水分摂取量
  • 睡眠段階
  • いびき検出
  • 血中酸素レベル

さらにSamsung社は公式に指輪型ウェアラブル機器Galaxy ringを開発中と発表し、注目を集めています。

2020年にはアメリカの工科大学と共同で、非侵襲型での血糖値数についての研究結果を発表し話題となりました。

5年以内に非侵襲型の血糖値モニターができる機器を市場に投入したい考えで、小型化だけでなく血糖値測定ができる様々な製品の開発へ向けて準備している段階です。

開発中のPKvitality社のスマートウォッチは複数回の実験によって精度が向上中

針を刺さずに持続グルコースモニタリングができるスマートウォッチPKvitalityK’Watch Glucoseは、間質液中に含まれるブドウ糖を測定し血糖値に換算した値を記録できます。

間質液中に含まれる糖の濃度は血糖値と異なるものの、持続的な計測で血糖値の変動を推測しインスリン投与や食事のタイミングなど健康管理をサポートします。

間質液中のブドウ糖を計測するために時計内部に組み込まれているニードルパッチは1週間毎に取り替えが必要で、5分毎に血糖値数が更新される仕組みです。

臨床実験が2022年に終了していますが、未だ医療器としての認定が降りておらず発売日や価格など正確な情報は未だありません。

日本の企業も精度の高い血糖値が測れる機器を開発中

海外の大手企業が血糖値計測機能を搭載したウェアラブル機器を開発している中、日本のライトタッチテクノロジー社小型の非侵襲血糖値センサーを開発しました。

手のひらサイズの大きさのウェアラブル機器に組み込まれる高輝度中赤外レーザーは、国際標準化機構が定める測定における精度を満たしています。

今後は臨床研究を実施しPOC試験に合格後、治験や薬機法の承認を得てからの発売になるため機器が手元に届くまでの道のりは長いです。

しかし量産化されれば糖尿病患者の精神的ストレスや痛みを軽減し、精度の高い血糖値の測定が病院以外で可能になります。

クォンタムオペレーション社も正確な血糖値が測れるセンサーを現在開発中

クォンタムオペレーション社は、照射した光の反射から物質を検知し数値化できる独自の技術から血糖値が測定できるセンサーの開発をしています。

スマートウォッチではなく血糖値のデータが取得できるバイタルバンドとして特許の申請中で、血糖値の他にも下記の数値の計測ができるよう開発を進めています。

  • 心電波形
  • 血圧
  • 脈拍
  • 血中酸素飽和度
  • ストレス
  • 呼吸数
  • 体温
  • 睡眠

糖尿病患者だけでなく医療において様々な課題を減らしたいという、明確な目標や信念がある企業です。

スマートウォッチは正確な血糖値は測れないが健康管理ができる

スマートウォッチは正確な血糖値は測れないが健康管理ができる

現在販売されているスマートウォッチの中には、正確な血糖値を測れる機器はありません。

血糖値が測れると謳っている機器はあるものの、アメリカでは米食品医薬品局が注意喚起しているほど認証のないウェアラブル端末機器が多く出回っているのが現実です。

不正確な血糖測定値は、糖尿病患者にとって命に関わる事故になる可能性も十分に考えられます。

現在国内外で様々な企業が、針を使わない非侵襲型の血糖値計測機器の展開に向けて様々な技術を駆使して開発しています。

発表されるまでは、糖尿病患者や糖尿病予備軍の人は医療機関での測定や穿刺針を用いて測定する血糖自己測定器を使用して管理しましょう。

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