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血糖値が気になる人のために里芋の栄養と効果的な食べ方を徹底解説

里芋の栄養と効果的な食べ方

里芋は芋類の一種であるため、血糖値を上げる食品と思われがちです。

しかし、実際には他の芋類より糖質が少なく、栄養素が豊富に含まれています。

適切な食べ方を知ると、血糖値を意識している人でも取り入れられる食材です。

この記事では、里芋と血糖値との関係や摂取の仕方について解説します。

この記事で分かること
  • 里芋の栄養価と血糖値への影響
  • 血糖値上昇を防ぐ食べ方と調理の工夫
  • 健康的に里芋を継続するためのポイント

血糖値を気にしながらも食事を楽しみたい人は、ぜひ参考にしてください。

目次

里芋と血糖値の関係を正しく理解し健康的に取り入れるための基礎知識

正しく理解し健康的に取り入れよう

血糖値の管理は健康維持に欠かせない要素であり、食事が大きな役割を果たします。

特に炭水化物は血糖値に直接的な影響を与えるため、その種類や摂取量を意識しなくてはならない栄養素です。

里芋は他の芋類と比べて糖質が低く、ダイエットや血糖値の管理において優れた食品とされています。

そのため、適量を食べる場合には食後の血糖値上昇を緩やかにし、健康に良い影響を与える食品です。

しかし、過剰な摂取は血糖値の上昇につながります。

里芋にはどのような特性があるのかを理解し、上手に摂取できると血糖値の管理に役立ちます。

里芋は炭水化物を含み血糖値に影響する食品のため過剰に摂取しない

炭水化物の一種である糖質は、血糖値に大きく影響を与えます。

里芋はその炭水化物を多く含む食材で、主成分はデンプンです。

体は炭水化物を消化してブドウ糖に変え、それが血液中に入ると血糖値が上がります。

そのため、ご飯やパンと同じように里芋を食べると、血糖値は上昇します。

しかし、里芋の特徴として注目すべきは、他の芋類に比べて糖質量が少ない点です。

里芋100gあたりの糖質量は約10gで、一般的な白米ご飯やさつまいもの半分以下となります。

そのため、適量の場合、里芋は他の主食や芋類よりも血糖値への影響が穏やかになります。

ただし、里芋を過剰に食べ過ぎると血糖値が上昇する可能性もあるため、摂取量には配慮が必要です。

糖質が少ない里芋ですが、摂取しすぎると余った糖質は脂肪に変わり、肥満を引き起こします。

その結果、インスリン抵抗性を悪化させる可能性があります。

したがって、里芋は血糖値に無害ではなく、あくまで適量の場合に影響が緩やかな炭水化物と理解しましょう。

里芋のGI値は中程度であるため急激な血糖値の上昇は避けられる

食品の血糖値を上昇させる速度を数値化した指標として、GI値(グリセミック・インデックス)があります。

この数値が高いほど、食後の血糖値が急上昇するといわれます。

一般にブドウ糖を100とした場合に70以上が高GI、56〜69が中GI、55以下が低GIです。

里芋は、一般的に中GI値から高GI値に分類されます。

一方、にんじんやじゃがいもは高GI値の野菜として挙げられており、里芋はそれらに比べて血糖値が急激に上がらない食材です。

里芋を食べた後の血糖値上昇は、白いパンや砂糖菓子のように急激ではなく、比較的緩やかに進みます。

これは、後述する里芋の食物繊維などの働きも影響しています。

里芋は他の芋類よりもカロリーと糖質が低いため血糖値管理が容易

さつまいもやじゃがいもなど他の芋類と比較すると、里芋は食後の血糖値の上昇が穏やかな傾向にあります。

さらに、里芋は芋類の中でもカロリーと糖質が低いため、ダイエット中の人にも適した食材です。

さらに、里芋には血糖値コントロールに役立つ、ぬめり成分が他の芋類より豊富に含まれています。

カロリー糖質GI値
里芋58kcal10.8g64
じゃがいも76kcal16.3g90
さつまいも134kcal29.7g55

100gあたりで比較した上記の表から、里芋は他の芋類に比べて血糖値の管理に適した栄養バランスであると分かります。

里芋は糖尿病のリスクがある人にも血糖値の管理に役立つ栄養価の高い食材

血糖値の管理に役立つ

糖尿病予備群や境界型糖尿病といわれるような糖尿病のリスクがある人にとって、食事の選び方は非常に重要です。

血糖値が気になる場合に、里芋は食べてはいけないのか、それとも工夫して取り入れると問題ないのかと悩む人も多いでしょう。

実際、里芋は適切な量では血糖値の急激な上昇を抑える効果があり、体内の余分なナトリウムやコレステロールを排出する働きがあります。

そして、里芋は健康に役立つ栄養素を多く含んでいるため、生活習慣病の予防にも効果的です。

ここでは、里芋の栄養的な特性とその健康効果について解説します。

里芋は血糖値が気になる人や糖尿病の予防に役立つ栄養価の高い食材である

里芋は糖質を含んでいますが、その糖質量は白米やパンなどの主食や他の芋類と比較して控えめです。

そのため、糖尿病や血糖値が気になる人の食事に適した炭水化物の一つになります。

里芋には血糖値の急激な上昇を防ぐ成分が含まれており、体内のコレステロールやナトリウムを排出する働きがあります。

糖尿病は生活習慣病の一種であり、高血圧や脂質異常症などの合併症を引き起こすリスクが高い病気です。

里芋の持つ栄養素はこれらの予防にも効果的であるため、適切に取り入れて血糖値を管理しましょう。

糖尿病患者が里芋を取り入れる際は適量を守り主食の代用や副菜で活用する

里芋はカロリーが低く、ビタミンやミネラルが豊富なため、栄養バランスを整えるのに役立ちます。

糖尿病患者が里芋を食事に取り入れる際には、一度に大量に食べるのではなく、適量を守らなければなりません。

里芋100gは、小ぶりのものは約3〜4個で、糖質が約10g含まれます。

これは、茶碗半分弱の白米に相当する糖質量です。

糖尿病の予防食として1回の食事で50〜60g程度の糖質に抑えたい場合には、里芋100gまでで他の炭水化物に置き換えられます。

そのため、里芋は主食ではなく、副菜として取り入れると食材全体のバランスが良くなります。

里芋に含まれる成分は血糖値だけでなく高血圧や脂質異常症の予防にも役立つ

里芋に含まれる水溶性食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑えるだけでなく、体内の余分なナトリウムやコレステロールを排出する働きがあります。

これにより、血糖値を安定させるとともに、血圧の上昇や悪玉コレステロールの蓄積を防ぐ効果が期待できます。

同様に、里芋に含まれているカリウムもナトリウムの排出を促進し、高血圧の予防に役立つ栄養素です。

糖尿病の場合、高血圧や脂質異常症を併発するリスクが高まりますが、里芋は生活習慣病全般の予防にも有効であるといわれています。

そのため、里芋を正しく取り入れて血糖値を管理しつつ、健康維持にも役立てましょう。

里芋に含まれる多様な栄養素の働きと血糖値への影響を理解する

里芋に含まれる多様な栄養素の働き

里芋は糖質だけでなく、体に必要な以下の栄養素を幅広く含む食材です。

  • ビタミン
  • ミネラル
  • 食物繊維など

これらの栄養素は、血糖値のコントロールをサポートする働きに加え、日常の体調管理にも関わっています。

特に、血糖値が気になる人や糖尿病予防を意識している人にとって、里芋を上手に取り入れる習慣は健康的な食生活を送るうえで必要です。

ここでは、里芋に含まれる栄養素がどのように体に作用するのかを解説します。

栄養素の働きへの理解が深まると、里芋を積極的に食事に取り入れる意義も見えてきます。

ビタミンやミネラルが豊富な里芋は多方面の健康維持に効果を発揮する

里芋には、健康に欠かせないビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

特に重要な栄養素は、以下のとおりです。

ビタミン類

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンC
  • ビタミンEなど

ミネラル

  • カリウム
  • 鉄分
  • カルシウム
  • マグネシウムなど

これらの栄養素は、血糖値のコントロールをサポートするだけでなく、体全体の健康維持に必要です。

ビタミンB1

ビタミンB1は、炭水化物をエネルギーへと変換するため代謝過程において必要不可欠な栄養素になります。

里芋に含まれる糖質は、消化の過程でブドウ糖に変わり、筋肉や脳のエネルギー源として利用されます。

ビタミンB1が十分に存在していない場合、効率的にエネルギーが生成されません。

ビタミンB1が不足した場合には糖の代謝が悪くなり、疲労感や倦怠感、さらには集中力の低下につながるおそれがあります。

里芋を摂取すると糖質と一緒にビタミンB1も補えるため、効率的にエネルギーを得られます。

カリウム

カリウムはナトリウムの排出を助ける働きがあり、特に高血圧を予防するためには不可欠です。

糖尿病患者はインスリンの機能低下や動脈硬化などにより、高血圧を併発する傾向があります。

そのため、血圧の管理は血糖値と並ぶ重要な健康課題です。

その課題を解決するために、カリウムの適切な摂取が血圧を安定させる役割を果たします。

塩分を摂りすぎると、体内でバランスを取るために水分が溜め込まれます。

その際、カリウムが余分な塩分と一緒に水分を体外へ排出し、むくみの軽減や血圧の正常化につながるのです。

その他のミネラル

鉄分やカルシウム、マグネシウムの効果は、骨の健康や筋肉機能のサポートになります。

鉄分は血液を作るために欠かせない栄養素で、貧血の予防にも役立つ栄養素です。

カルシウムは骨を丈夫に保つ役割を持ち、マグネシウムはエネルギーの代謝にかかわります。

里芋に含まれる2種類の食物繊維は腸内環境を整え免疫力の維持にも貢献する

里芋には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、これらの食物繊維は健康にさまざまな効果をもたらします。

里芋の皮を剥くと出てくるガラクタンやグルコマンナンというぬめりが、水溶性食物繊維です。

水分を吸収してゼリー状になり、糖質を包み込み、食後の血糖値の急上昇を抑える効果があります。

ナトリウムやコレステロールの排出を促進するため、血圧やコレステロール値の安定も期待できるでしょう。

不溶性食物繊維は、便の量を増やしたり、便をやわらかくしたりする効果があります。

腸内を刺激して便通を促進し、便秘の予防にもつながります。

両方の食物繊維をバランス良く摂取すると、善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれるのです。

その結果、免疫力の向上にもつながります。

里芋の効果を最大限に引き出すために知っておきたい食べ方と調理の工夫

里芋の効果を最大限に引き出す

里芋は、糖質を含みつつも血糖値の急激な上昇を抑える効果や、生活習慣病予防への期待が高い食材です。

さらに、ビタミンB1やカリウム、食物繊維などの栄養素も豊富に含まれており、血圧の安定やエネルギー代謝のサポートにも役立ちます。

その一方で、調理法や食べ合わせを誤ると、思わぬ血糖値の上昇を招きます。

里芋の健康効果を最大限に引き出すには、どのように調理して食べるかが非常に重要です。

食べる順番や食材との組み合わせ、さらには油や調味料の使い方によって、血糖値への影響を抑える工夫ができます。

ここでは、日々の食事に里芋を効果的に取り入れるための、具体的な工夫について解説します。

野菜やタンパク質と組み合わせて炭水化物による血糖値の急上昇を防ぐ

食事の順番や組み合わせを工夫すると、里芋を含む炭水化物の血糖値への影響を抑えられます。

特に、食物繊維やタンパク質を先に摂取するベジファーストが効果的です。

ベジファーストと呼ばれる方法では、食事の最初に野菜や海藻、きのこ類を食べます。

その後に、魚や鶏肉といったタンパク質を含むおかず、最後に里芋の煮物や里芋ご飯などの炭水化物を食べるのです。

この順番で食べた場合には、食後の血糖値の上昇が緩やかになり、食事による満足感が高まります。

さらに、里芋をタンパク質と一緒に調理するのも効果的です。

例えば、里芋と鶏肉の煮物や里芋と豆腐の味噌汁など、タンパク質源を組み合わせます。

この組み合わせによって、糖の吸収がゆっくりになり、血糖値のコントロールに役立ちます。

酢の物など、酸味のある食材を一緒に摂取するのも有効です。

セカンドミール効果も意識すると1日を通した血糖値の管理に役立つ

1日を通した血糖値の管理

ベジファーストに加えて、セカンドミール効果の活用で、次の食事後の血糖値にも良い影響を与えられます。

セカンドミール効果とは、最初の食事であるファーストミールが、次の食事であるセカンドミール後の血糖値に影響を及ぼす現象です。

例えば、朝食に食物繊維を多く含む食品を摂取すると、次の食事である昼食の血糖値上昇も抑えられると研究で示されています。

この効果は、食物繊維が腸内環境を改善し、インスリン感受性を高める働きによるものです。

ベジファーストは即効性があり、セカンドミール効果は持続性があります。

この2つを組み合わせると、血糖値のコントロールがさらに効果的になります。

特に里芋は中GI食品でありながら、調理法次第でさらにその効果を高められ、日々の食事に取り入れる価値があるのです。

冷やした里芋はレジスタントスターチが増え血糖値を安定させる

レジスタントスターチが増える

里芋に含まれるでんぷんは、冷やすとレジスタントスターチに変化します。

レジスタントスターチは難消化性でんぷんともいわれ、ほとんど小腸では消化されず、食物繊維のように働きます。

そのため、里芋を調理した後に冷蔵庫で冷やしてから食べると、血糖値の上昇が抑えられるのです。

さらに、冷やしたものを再加熱したとしても、レジスタントスターチの量は大きく減少しないという研究結果もあります。

このように、里芋を冷やして食べると、食物繊維とレジスタントスターチの効果を得て、血糖値のコントロールをサポートできます。

加熱方法や油の使い方など調理方法の工夫によって血糖値への影響を抑える

血糖値の上昇を抑えるためには、里芋の調理方法も工夫が必要です。

蒸すまたは茹でる方法は、糖質が増えるのを抑えられます。

皮をむかずに調理すると、食物繊維を多く摂取できるうえ、血糖値の上昇をさらに抑える効果があります。

以下が、調理法として心掛けるとよい点です。

  • 砂糖やみりんを控えめにする
  • 油を少なめに使う
  • 柔らかく茹でて消化を助ける

煮物では甘辛い味付けが一般的ですが、砂糖やみりんの使用は血糖値を急激に上昇させる原因になります。

出汁や醤油、生姜などを使うと風味が補えるため、砂糖やみりんの量を減らせます。

どうしても甘みを加えたい場合は、エリスリトールやラカントなどの人工甘味料を使用するのも一つの方法です。

揚げ物や炒め物で油を使う際には、量に気をつけましょう。

多量の油を使うと、カロリーが高くなり、肥満の原因となります。

肥満はインスリン抵抗性を引き起こし、長期的には血糖コントロールを悪化させます。

そのため、里芋コロッケなどを作る際は、揚げ焼きやオーブンで焼くのがおすすめです。

ほかにも、里芋をホクホクに茹でたり蒸したりすると、消化酵素の働きが助けられ、適度な満腹感を得られます。

消化不良を防ぐため、極端に固い状態よりも、程よく柔らかい仕上がりが理想的です。

肥満によるすい臓機能の低下で、インスリンの効き目が悪くなり血糖値が下がりにくくなります。
ポリフェノールの一種にはインスリンの効果を高める機能がありますので、普段の生活に取り入れていくのもオススメです。
アカシアポリフェノール-薬科大学・国立大学が注目する効果とは

血糖値コントロールに役立つ里芋の栄養と調理法を活かした健康レシピ5選

里芋の栄養と調理法を活かす

里芋は中GI食品で、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。

この特性を活かした食事を取り入れると、糖尿病の予防や血糖値のコントロールに役立ちます。

加えて、里芋は食物繊維やビタミン、ミネラルを多く含む食材です。

そのため、腸内環境を整えるとともに、栄養バランスを改善する働きもあります。

ここでは、血糖値の管理を意識した里芋を使ったレシピを5つ紹介します。

糖質制限を意識した食事でも満足感があるため、ダイエット中でも最適です。

日々の食事にも手軽に取り入れられるため、健康的な食生活を楽しむ参考にしてください。

1.里芋とキノコの豆乳シチュー

このシチューはGI値が低めの食材を組み合わせて作られているため、血糖値の管理に最適です。

豆乳と味噌のコクが里芋の甘みを引き立て、満足感のある一品に仕上がります。

効果

  • 豆乳のイソフラボン、里芋の水溶性食物繊維、キノコのβ-グルカンが相乗効果を発揮
  • 冷凍里芋を使用し、レジスタントスターチを増加させ、腸内環境を改善
  • 小麦粉の代わりに米粉を使用し、血糖値の上昇を抑制

材料(2人分)

  • 冷凍里芋:120g
  • 豆乳:300ml
  • しめじ:40g
  • オリーブオイル:大さじ1
  • 味噌:大さじ1
  • 米粉:大さじ1

作り方

  1. 里芋は冷凍の場合、パッケージ記載のワット数で加熱しておく。
    生の里芋を使う場合は皮をむき、600Wの電子レンジで2〜3分加熱して下ごしらえする。
  2. にんじんは適切な大きさに乱切りし、しめじは石づきを取り除いて手で小房に分けておく。
  3. 鍋にオリーブオイルを熱し、にんじんを加えて焼き色がつくまで炒める。
  4. 続けて、しめじと里芋を加え、全体に油がなじむように炒め合わせる。
  5. 豆乳、味噌を加え、中火で3分ほど加熱してコクを出す。
  6. 米粉を加えて1分ほど混ぜ、全体がとろりとしたら火を止める。
    器に盛り、ブラックペッパーを振りかけて風味をプラスする

2.納豆と里芋ののっぺい汁

発酵食品である、納豆と味噌を活用した汁物です。

里芋のぬめり成分がスープに溶け込み、水溶性食物繊維を丸ごと摂取できます。

効果

  • 里芋は皮付きのまま調理し、ぬめり成分を最大限活用する
  • 納豆のナットウキナーゼが血流を改善し、味噌が腸内環境を整える
  • 里芋のカリウムがナトリウムの排出を促進し、高血圧の予防にも効果がある

材料(2人分)

  • 里芋:80g
  • 大根:40g
  • にんじん:1/2本
  • しめじ:1/2パック
  • だし汁:400ml
  • 味噌:大さじ1と小さじ2
  • 納豆:1パック

作り方

  1. 里芋は皮付きのまま一口大に切り、水にさらして、水気を切っておく。
    大根とにんじんも同様にカットし、しめじは石づきを取って小房に分ける。
  2. 鍋にだし汁と1の野菜を入れて火にかけ、沸騰してきたらアクを取りながらコトコト煮る。
  3. 野菜がやわらかくなったら味噌を加えて溶かし、最後に納豆を加え、酵素を壊さないようにさっと火を通す。

3.海苔と里芋の和え物

海苔と里芋の和え物

海苔と里芋の組み合わせで栄養価が高く、簡単に作れる副菜です。

冷やして食べると、レジスタントスターチが増加します。

効果

  • 里芋は蒸して冷蔵庫で冷やし、レジスタントスターチを増加させる
  • 海苔と里芋はともに水溶性食物繊維が多く、コレステロールを吸着する
  • ごま油が糖代謝を改善し、脂質バランスも整える

材料(2人分)

  • 里芋:250g
  • 味付け海苔:4枚
  • ごま油:大さじ1と1/2
  • 塩:ひとつまみ
  • 鶏ガラスープの素:小さじ1/2
  • おろしにんにく:お好みで

作り方

  1. あらかじめボウルに、調味料を合わせておく。
  2. 里芋は皮をむいて程よい大きさに切る。
  3. 分量外の塩を全体に軽く振り、手でやさしくなじませたら、水でさっと洗い流す。
  4. 鍋に里芋を入れ、水をひたひたに注いで火にかける。
  5. 沸騰後、10分ほどゆでて竹串がすっと通る柔らかさになったら火を止める。
  6. ザルにあげて水にくぐらせ、表面を軽く流す。
  7. 一度里芋を冷蔵庫で冷やし、その後に1のボウルに加え、ちぎった味付け海苔も一緒に入れて、全体をやさしく和える。

4.里芋とカニカマのホットサラダ

里芋を牛乳でとろとろに煮込み、カニカマと白だしの旨味を加えた温かいサラダです。

カリカリに炒めたじゃこがアクセントとなり、栄養バランスも抜群になります。

効果

  • 里芋は皮付きで茹でて、ぬめり成分であるガラクタンを保持し、糖質の吸収を緩やかにする
  • 牛乳のタンパク質が血糖値の急上昇を抑制する
  • ブロッコリーの食物繊維、じゃこのカルシウム、里芋のカリウムなど栄養素が豊富に摂取できる

材料(2人分)

  • 里芋:130g
  • 牛乳:80ml
  • カニカマ:30g
  • ブロッコリー:50g
  • じゃこ:4g
  • 白だし:小さじ1/3
  • みりん:小さじ1/3
  • オリーブオイル:1g
  • 塩:少々
  • こしょう:少々

作り方

  1. 里芋は皮ごとよく洗い、やわらかくなるまでゆでる。
    火が通ったら皮をむき、サイコロ状にカットする。
  2. ブロッコリーは、塩を加えたお湯でゆでておく。
    じゃこはフライパンにオリーブオイルをひき、カリッとするまで炒め、香ばしさを出す。
    鍋に1の里芋と牛乳を入れて、弱火でじっくり温める。
  3. カニカマを手でほぐして加え、さらに白だしとみりんも加えて、焦がさないようゆっくり混ぜながら煮る。
  4. ふつふつと煮立ち、里芋がやや崩れてとろみが出てきたら、塩とこしょうで味を整える。
  5. 器に盛り付け、2のブロッコリーを添え、仕上げにカリカリじゃこをのせる。

5.里芋とアーモンドの味噌焼き

白味噌の甘みと、アーモンドの香ばしさが絶妙にマッチした一品です。

里芋のねっとりとした食感とアーモンドのカリッとした食感が楽しめ、血糖値や高血圧を意識した健康的な料理になります。

効果

  • 里芋は皮付きのまま加熱すると、ぬめり成分のガラクタンの流出を防げ、腸内環境を改善する効果が向上
  • アーモンドに含まれるマグネシウムがインスリン作用を高め、ビタミンEの抗酸化作用で血管や細胞を保護
  • 白味噌は通常の味噌より塩分が約半分で、減塩しながら旨味を加える

材料(2人分)

  • 里芋:160g
  • 無塩アーモンド:10g
  • 白味噌:小さじ1と1/3
  • みりん:小さじ1と1/3
  • 酒:小さじ1
  • 和風だしの素:小さじ1/3

作り方

  1. アーモンドは細かく刻んでおき、調味料はあらかじめ混ぜ合わせておく。
  2. 里芋は皮ごとよく洗い、ラップに包んで600Wの電子レンジで約3分加熱する。
  3. 粗熱が取れた後に皮をむき、縦半分にカットする。
  4. 天板にアルミホイルを敷き、里芋を並べる。
    表面に混ぜ合わせておいた調味料を塗り、刻んだアーモンドをのせる。
  5. オーブントースターで、こんがり焼き色がつくまで焼く。

里芋を賢く取り入れて美味しく楽しみながら血糖値コントロールを目指す

里芋を取り入れる3つのポイント

里芋は体に必要な栄養素を幅広く含む食材であり、糖尿病や血糖値の管理を意識している人にとって、非常に有益です。

しかし、過剰に摂りすぎると糖質が血糖値を上昇させる原因となります。

里芋を食事に取り入れる際には、以下の3つのポイントを意識してみてください。

  • 血糖値の急上昇を抑えるために適切な量を摂取する
  • 中GI食品のため、食べる順番や食べ合わせを工夫する
  • 血糖値の上昇を緩やかにするために、冷やして食べる

そして、何より大切なのは里芋を美味しく、楽しもうとする気持ちです。

里芋は和洋中さまざまな料理にも合うため、自分好みのレシピを見つけ、食事が楽しめると継続につながります。

里芋は健康のための我慢食ではなく、里芋は食事の楽しみの一つとして考えましょう。

本記事で紹介したポイントを実践して無理せずに血糖値を管理してください。

・食後や空腹時の血糖値を抑制する
・インスリンの効き目を高め分泌を促す

など、糖尿病予防におけるポリフェノールの研究が進んでいます。
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この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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