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えのきは血糖値の上昇を抑えるガードマン!具体的な効果や食べ方を紹介

えのきの効果的な食べ方と効果

食後高血糖や血糖値スパイクを放置していると、糖尿病や動脈硬化につながる可能性があります。

えのきは安価で手軽に取り入れられる食材のひとつでありながら、血糖値の上昇や乱高下による病気のリスクを低減できる点が魅力です。

この記事では、えのきが血糖値の上昇を抑えるメカニズムや効果的な食べ方について解説します。

この記事で分かること
  • えのきが血糖値の上昇を抑えるメカニズム
  • えのきの健康効果
  • より効果を高める調理法や食べ方

えのきのさまざまな健康効果や食べ方の例についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

えのきには血糖値の上昇を抑える効果がある

糖のブロックと脂質の吸着効果

えのきは糖のブロック効果と脂質の吸着効果を持ち、食後の血糖値の急上昇や乱高下の抑制に役立ちます。

えのきが持つ血糖値コントロールに役立つ主な栄養素は、以下の2種類です。

  • 食物繊維
  • キノコキトサン

食物繊維とキノコキトサンの二種の防御メカニズムにより、血糖値と脂質をダブルで防御するガードマンとして役立ちます。

食後の血糖値スパイクが気になる人に加えて、糖尿病予備群の人も積極的に取り入れたい食材です。

ここでは、それぞれの栄養素が具体的にどのような働きをするのかを詳しく解説します。

ゲル化した食物繊維が糖の吸収をブロック

えのきに含まれる食物繊維は、糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を防ぐ効果を持つ栄養素です。

食物繊維の中でも水溶性食物繊維は、体内で水に溶けるとゲル状に変化する性質があります。

ゲル状になった食物繊維は腸の中で食材を覆い、糖を物理的に絡め取るのが特徴です。

糖が食物繊維に覆われると消化や吸収スピードが抑えられるため、結果として急激な血糖値の上昇を避けられます。

ゲル状になった食物繊維は腸内を進むスピードが遅く、空腹を感じるまでの時間が長くなる点もメリットです。

さらに、糖のほかに脂質やナトリウムの吸収も抑えられます。

血糖値の上昇を抑えたい人だけでなく、ダイエット中の人にも嬉しい効果です。

キノコキトサンが脂質を吸着して排出

えのきに含まれるキノコキトサンは、食事から摂取した脂質を吸着し、便として排出する働きを持ちます。

キノコキトサンには、腸の中や油そのものをコーティングする効果があります。

腸のコーティングによって余計な脂質の吸収を防げるうえ、油そのものをコーティングして吸着し、便として排出できる働きも魅力です。

脂質の分解を通してインスリンの過剰な分泌も防ぐため、間接的に血糖値の安定にも貢献します。

キノコキトサンはきのこが持つ特有の成分であり、数多くあるきのこ類の中でも特に豊富に含まれているのがえのきです。

血糖値の安定とともに内臓脂肪を減らしたいと考えている人は、えのきを積極的に取り入れるとよいでしょう。

えのきは腸活やダイエットにも効果的な食材

腸活やダイエットにもおすすめ

日常的にえのきを食べると、血糖値のコントロールや脂質の吸着のほかにもさまざまな健康効果を得られます。

えのきが持つ具体的な栄養素とそれぞれの健康効果は、以下のとおりです。

不溶性食物繊維・便のかさを増やす
・腸を刺激して便通を促す
キノコキトサン・脂質を吸着して排出する
・インスリンの過剰な分泌を防ぐ
・内臓脂肪を減少させる
・血糖値を安定させる
・腸内環境を整える
・腸内の善玉菌を増やす
β-グルカン・免疫細胞の働きを活性化させる
・代謝機能を改善する
・腸内環境を整える
エノキタケリノール酸・内臓脂肪を減らす
葉酸、亜鉛・造血を促進する
・妊娠中の貧血予防につながる
カリウム・むくみを軽減する
ナイアシン(ビタミンB3)・血液をサラサラにする
・冷え性や肩こりを改善する
グアニル酸・体内の毒素を排出して肌トラブルを解消する
・細胞の再生を促す

血糖値の安定を目指す人のほか、腸活や肌質改善に興味がある人にも嬉しい効果が数多くあります。

便秘解消やダイエットと併せて血糖値の管理をしたい場合には、特に向いている食材です。

腸活と血糖値には深い関係がある

えのきが持つ腸活効果は血糖値の安定と関係がないように思えますが、両者は密接に関わり合っています。

人の腸内にはさまざまな種類の菌があり、それぞれがバランスよく働いて腸内の環境を整えています。

しかし、菌のバランスが崩れて腸内環境が悪くなると腸の粘膜が荒れ、インスリン分泌を促すGLP-1の分泌量が安定しません。

インスリンには血糖値を下げる働きがあり、分泌が抑えられると血糖値が上昇してしまいます。

えのきには整腸作用を持つ食物繊維などの栄養素が数多く含まれているため、腸内環境を整えてインスリンの分泌量を正常に保てます。

糖の吸収そのものをブロックできるだけでなく、腸活という側面からも血糖値の上昇を抑えられる優秀な食材です。

血糖値の安定効果を高めるえのきの調理法と食べる順番

えのきの調理法と食べる順番

えのきが持つ血糖値の安定効果を十分に発揮させるには、調理法や食べ方も重要となります。

えのきの調理法や食べ方として押さえておきたいのは、以下の3点です。

  • 一度凍らせてから調理する
  • えのき氷にして取り入れる
  • 食事の最初に食べる

えのきを一度凍らせると、えのきに豊富に含まれているキノコキトサンが増加してより高い健康効果を得られます。

ペースト状のえのきを煮出して凍らせたえのき氷は、糖尿病の予防や改善に有効です。

さらに、血糖値と食べる順番は密接に関わっており、近年では血糖値のコントロールに効果的なベジファーストが広まっています。

ここでは、血糖値の安定効果を高めるえのきの食べ方や食べる順番について詳しく解説します。

えのきは凍らせてから調理すると栄養価がアップする

先述の通り、えのきに含まれるキノコキトサンが持つ働きは脂質の吸着や整腸作用などです。

キノコキトサンは、冷凍して細胞を壊すと生の状態の約13倍にも増加します。

そのため、えのきを食べて血糖値の安定を目指す場合、一度冷凍してからの調理が有効です。

えのきは凍らせると風味や旨味もアップするため、冷凍保存によってさらに美味しく食べられます。

えのきを冷凍する際の手順は、以下のとおりです。

  1. 表面の汚れをキッチンペーパーで拭き取る
  2. 石づきを切り落とす
  3. 使いやすい長さにカットしてほぐす
  4. 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍する

えのきをはじめとするきのこ類は水洗いするとビタミンB群やカリウムが流れ出てしまうため、キッチンペーパーなどで軽く拭く程度にとどめます。

冷凍前の下処理で使いやすい長さにカットしてほぐすと、調理の際は凍ったまま加熱できます。

汁物に入れたり炒め物にしたりするほか、電子レンジで加熱してナムルやなめたけにする調理法も手軽です。

栄養素を無駄なく摂取したい場合は、汁物の具にして汁ごと食べるとよいでしょう。

えのき氷は糖尿病の予防と改善に効果的

えのきはそのまま冷凍するだけでなく、えのき氷にアレンジする方法も人気です。

えのき氷は、えのきをペースト状にして煮出してから凍らせたものを指します。

えのき氷の作り方は、以下のとおりです。

  1. えのき300gの石づきを落とし、3分の1の長さにカットする
  2. 水400mlとともにミキサーにかけてペースト状にする
  3. ペーストを鍋で火にかけて沸騰させる
  4. ひと煮立ちしたら弱火に落とし、焦げないように混ぜながら1時間ほど加熱する
  5. 粗熱が取れたら製氷皿などに入れて冷凍する

調理にある程度時間はかかりますが、一度作ると冷凍のまま約2ヶ月保存できます。

えのき氷を凍ったまま飲み物や汁物、煮込み料理などに入れて毎日摂食すると、血糖値の安定や中性脂肪の低下などが期待できます。

製氷皿で作った場合、摂取量の目安は1日3個程度です。

実際にえのき氷を取り入れた臨床試験では、えのき氷の摂取を開始してから約2ヶ月で糖尿病の予防や改善効果が確認されています。

参照元:東京農業大学・JA中野市が共同研究成果報告会を実施「えのき」が糖尿病の予防・改善に効果 – 学校法人 東京農業大学戦略室

冷凍保存する場合と比較すると工程は多くなるものの、一度作ると毎日手軽にえのきを食べられる点が魅力です。

味や風味が強すぎないため、幅広いアレンジに対応できます。

食事の最初にえのきを食べると血糖値が安定する

えのきの血糖値コントロール効果を発揮させるそのほかの方法として、ベジファーストが挙げられます。

ベジファーストとは、食事の最初に野菜やきのこ類を食べることです。

先述の通り、野菜やきのこ類に豊富に含まれている食物繊維には、糖を絡め取ったり吸収を遅らせたりする働きがあります。

食事のはじめに食物繊維をしっかりと摂取しておくと、その後のタンパク質や炭水化物の摂取によって血糖値が急激に上昇するのを防げます。

ただし、ベジファーストは野菜やきのこ類を食べてから5分以上経過しないと効果を発揮しません。

えのきを食べた後ですぐにごはんやパンなどの炭水化物を摂ってしまうと効果が得られないため、よく噛んでゆっくりと食事するよう心がけましょう。

咀嚼回数が多いと満腹中枢が刺激されるほか、早食いによる血糖値の上昇も防げます。

血糖値に配慮した食べ合わせの意識がポイント

食べ合わせの意識がポイント

えのきを食卓に取り入れる際は、血糖値に配慮した賢い食べ合わせを採用すると食物繊維の働きをさらに高められます。

酢や油は血糖値を抑制する作用を持つため、えのきとの食べ合わせにぴったりな調味料です。

酢に含まれる酢酸は、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。

一般的に調味料として使われている穀物酢でも十分ですが、より高い効果を得るには酢酸の含有量が多い果実酢を取り入れるとよいでしょう。

果実酢には、リンゴ酢やバルサミコ酢が挙げられます。

えのきと酢を使ったメニューとして挙げられるのは、酸辣湯風スープや、えのきソテーのバルサミコソースなどです。

ほかにも、植物油に含まれるリノール酸には、インスリンの分泌を促すGLP-1の分泌量をアップさせる働きがあります。

GLP-1は血糖値を下げる薬としても利用されているホルモンであり、血糖値の急激な上昇を抑制できます。

リノール酸を豊富に含む植物油は、以下のとおりです。

  • サフラワー油
  • ひまわり油
  • とうもろこし油
  • 大豆油
  • ごま油

さらに、α-リノレン酸にはインスリンの働きを促す効果があり、血糖値コントロールをサポートします。

α-リノレン酸を豊富に含む植物油は、以下のとおりです。

  • アマニ油
  • えごま油
  • なたね油

そのほかにも、オリーブオイルに含まれるオレイン酸やポリフェノールには、インスリン抵抗性や糖代謝の改善効果が認められています。

えのきと油の食べ合わせで血糖値の安定を実現させるには、調理法に合った油の選択が重要です。

たとえば、オリーブオイルは熱に強いため、えのきの炒め物に向いています。

アマニ油は加熱するとα-リノレン酸が酸化してしまうため、えのきのマリネやドレッシング和えなど、非加熱で使用するレシピが理想的です。

一方で、植物油は過剰に摂ると糖尿病のリスクを高めてしまいます。

オリーブオイルは大さじ1杯程度、アマニ油は小さじ1杯程度の量にとどめておきましょう。

さらに、食事の栄養バランスを整えるためには、肉や魚などのタンパク質の摂取も重要です。

白身魚のきのこあんかけやえのきの肉巻きなどは、一品で食物繊維もタンパク質も摂れるバランスメニューとして重宝します。

えのきを食べて血糖値の安定を目指そう

えのきは食物繊維による糖のブロック機能とキノコキトサンによる脂質のブロック機能を兼ね備えており、血糖値の安定に役立つ食材です。

腸活や肌質の改善、内臓脂肪の減少にも効果を発揮するため、血糖値をコントロールしながら健康効果を得たい場合にも向いています。

血糖値の急上昇を防ぐには、えのきを一度凍らせてから調理したり、えのき氷にして活用したりするとより効果を得られます。

さらに、食事の最初にえのきを食べるベジファーストも血糖値の安定効果を高める重要なポイントです。

えのきは豊富な栄養素を含む優秀な食材であり、季節を問わずにいつでも購入できるうえ、安定した価格で安く購入できます。

えのきを日々の食卓に取り入れて、血糖値の安定を目指しましょう。

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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