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75g OGTTとは糖尿病の精密検査のこと!目的と流れを把握しよう

75g OGTTの目的と流れを解説

75g OGTTとは、食後の血糖値の動きやインスリンの働きを詳しく調べるための精密検査のことです。

糖尿病の有無を確定するだけでなく、将来のリスクを早期に把握し、適切な対策につなげる目的で行われます。

この記事では、75g OGTTを受ける理由や検査の流れ、結果の意味について解説します。

この記事でわかること
  • 健診で指摘された血糖値の異常を確認するために、詳細な負荷試験が必要である
  • 75g OGTTが、インスリンの分泌や働きを評価して、糖尿病の三区分に判定する
  • 空腹時血糖値が正常である人からも、食後にのみ急上昇する隠れ高血糖を暴き出す
  • 当日の過ごし方が、検査の正確性を左右する
  • 妊娠中の高血糖を評価するためにも、75g OGTTが重要である

初めて75g OGTTの検査を勧められた人や糖尿病の精密検査を受ける人、あるいは妊娠糖尿病の疑いのある人は参考にしてください。

目次

健診で指摘された血糖値の異常を確認するために詳細な負荷試験が必要である

75g OGTTとは、健康診断で指摘された血糖値の異常が一過性のものか、糖尿病につながる体質なのかを詳しく調べるための精密検査のことです。

健診結果を見て再検査と書かれていると、多くの人が驚きや不安を感じます。

自覚症状がない場合ほど、本当に必要なのだろうかと心が揺れるものです。

健康診断で一般的に行われる空腹時血糖値やHbA1cは、糖代謝の状態を知る上で重要な指標であるものの、それだけでは十分でない場合があります。

特に、食事を摂った後の血糖値の動きは、空腹時の数値だけでは評価できません。

75g OGTTは、こうした食後の血糖変動を確認するために行われる検査です。

糖分を含んだ検査用飲料を摂取した後、血糖値の変化を時間経過とともに測定し、体内で糖がどのように処理されているかを明らかにします。

つまり、75g OGTTは異常が確定したから行うのではなく、異常があるのかを確かめるために行うということです。

精密検査の通知は、不安を煽るものではなく、今の体の状態を正しく知るための大切な機会と捉えましょう。

インスリンの分泌や働きを評価して糖尿病の三区分に判定する

インスリンの分泌や働きを評価

75g OGTTの目的は、血糖値そのものではなく、血糖を調節するインスリンの分泌や働きを評価する点です。

この検査では、体の本当の糖処理能力が明らかになります。

インスリンは、血液中に増えたブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギーとして利用させる役割を担っています。

この仕組みが正常に働いていると血糖値は一定の範囲内に保たれますが、インスリンの分泌量や効き目に問題が生じると血糖値は下がりません。

75g OGTTでは、こうした体内の反応を時間経過とともに観察できるため、単なる数値の測定以上の情報が得られます。

方法としては、空腹時に採血をした後、75gのブドウ糖を含む飲料を摂取して一定時間ごとに血糖値を測定します。

これにより血糖値が、どの程度上昇してどのくらいのスピードで元の水準へ戻っていくのかを把握できるのです。

健康な状態の人は、血糖値が一時的に上がっても、インスリンの適切な分泌作用で徐々に低下します。

一方、インスリンの分泌量が不足していたり効きが弱かったりする人は、血糖値の高い状態が続きます。

75g OGTTはこうした違いを明確に捉えて、糖尿病の三区分のいずれに該当するかを判定する検査です。

糖尿病の三区分とは、以下のことを示します。

  • 正常型
  • 境界型
  • 糖尿病型

この区分により、治療が必要か、生活習慣の見直しで経過観察が可能かといった今後の方針を客観的に判断できます。

空腹時血糖値が正常であっても食後にのみ急上昇する隠れ高血糖を暴き出す

75g OGTTが重視される理由の一つが、空腹時血糖値では見逃される隠れ高血糖を発見できるためです。

空腹時血糖値が基準範囲内であっても、食後に血糖値が急上昇するケースは珍しくありません。

この状態は自覚症状が乏しく、通常の健診のみでは異常と判断されない場合があります。

隠れ高血糖の状態が続くと、知らないうちに血管への負担が積み重なり、動脈硬化や心血管疾患のリスクが高まります。

75g OGTTでは、ブドウ糖負荷後2時間の血糖値が重要な評価ポイントです。

国際的な診断基準では、この2時間値が一定以上の場合、糖尿病型と判定されます。

この基準によって、将来の合併症リスクとの深い関連が明らかになるのが、空腹時血糖値のみでは診断が十分にできない理由の一つです。

境界型と診断された場合でも、まだ糖尿病ではないと捉えるのではなくて、生活習慣の改善によって進行を防げる段階であると考えてください。

75g OGTTは、静かに進行する高血糖を早期に見つけ、将来のリスクに気づくための重要な検査です。

当日の過ごし方が検査の正確性を左右する

検査の正確性に影響

75g OGTTでは、検査当日の過ごし方が結果の正確性に影響します。

75g OGTTは、体が自然な状態でどのように糖を処理するかを評価するため、余分な運動や刺激を避ける必要がある検査です。

検査中に院内を歩き回ったり階段を使ったりすると、筋肉が糖を消費し、血糖値が実際より低く出る可能性があります。

これは一見良い結果のように見えても、正しい判定を妨げる原因になります。

さらに、過度な緊張やストレスも血糖値に影響を与える要因です。

そのため検査中は座って安静に過ごし、スマートフォンの操作や仕事の連絡などもできるだけ控えて、リラックスした状態が望ましいでしょう。

正確な検査結果は、今後の治療や生活指導の基盤となります。

75g OGTTの検査中は何をするかでなく、何をしないかが重要なポイントです。

前日の絶食管理と当日の検査手順の遵守が検査を正しく行うために重要である

75g OGTTを正しく受けるためには、前日からの準備と当日の手順の遵守が重要です。

医師の指示に従い、定められた時間までに食事を済ませ、その後は水以外の飲食を控えます。

アルコール摂取や激しい運動も、検査結果に影響する可能性があるため避けましょう。

検査当日は、空腹の状態で来院して最初に採血を行います。

その後、75gのブドウ糖を含む検査用飲料を摂取し、決められた時間ごとに採血して血糖値の推移を確認します。

妊娠糖尿病の有無を調べる場合も、基本的な検査の流れは同様で、母体と胎児の健康管理において重要です。

検査結果を受け取った後は、必要以上に不安になるのではなく、今後の食事療法や運動療法を考えるための指針として活用してください。

75g OGTTは、現在の体の状態を客観的に知るための検査です。

妊娠中の高血糖を評価するためにも75g OGTTが重要である

妊娠中の高血糖の評価にも重要

75g OGTTは、妊娠中にみられる高血糖を確認する目的でも行われる検査です。

妊娠中に初めて血糖値の異常が指摘される状態は、妊娠高血糖、あるいは妊娠糖尿病と呼ばれます。

妊娠すると、インスリンの働きは弱くなる傾向にあり、これは胎盤から分泌されるさまざまなホルモンの影響です。

その結果、妊娠前には問題がない人でも、妊娠の経過とともに血糖値が上がる場合があります。

妊娠高血糖は、母体に自覚症状がほとんどないまま進行する場合が多く、通常の血糖測定のみでは見逃される病気です。

75g OGTTはブドウ糖を摂取した後の血糖値の変化を時間ごとに確認するため、妊娠中特有の血糖の上がり方を把握できます。

血糖値が高い状態が続くと、胎児が大きく育ちすぎたり、出産時の負担が増えたりします。

さらに、母体にとっても妊娠中や出産後に慎重な健康管理が必要です。

75g OGTTは不安を煽るための検査ではなく、妊娠中の体の変化を正しく理解し、母体と赤ちゃんの健康を守る目的の確認手段になります。

妊娠中に精密検査を勧められた場合は、結果を冷静に受け止め、今後の生活を考える材料として活用しましょう。

参照元:妊娠糖尿病 – 公益社団法人 日本産科婦人科学会

精密検査で導き出した正確なデータが将来の健康を守るための確かな地図となる

75g OGTTとは、糖尿病の有無を判断する検査ではなく、将来の健康管理の方向性を示すための検査のことです。

甘い飲料を飲み、複数回採血がある検査は、痛みも伴うため負担に感じる人もいます。

しかし、その結果から得られる詳細なデータは、今後の健康を守るための重要な情報です。

異常がない時は不安の解消となり、境界型の時は生活改善の指針となり、治療が必要な時は早期対応につながります。

75g OGTTを審判と捉えるのではなく、将来の自分を守るための検査と考えてください。

正確なデータをもとに、前向きな健康管理を始めていきましょう。

参照元:糖尿病と関連する検査 – 国立健康危機管理研究機構糖尿病情報センター

1 章 糖尿病診断の指針 – 糖尿病診療ガイドライン2024

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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