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糖尿病と口内炎の関係を知り食事を楽しむための対策を解説

口内炎との関係と予防法

糖尿病は、日本中で増加傾向にある生活習慣病で、多くの人が血糖コントロールと向き合っています。

高血糖から合併症を起こす可能性が高まり、口内炎もそのひとつです。

口内炎がひどくなり、食事のたびに痛みや違和感を感じ、食生活が楽しみから苦痛に変わっている人はいないでしょうか。

この記事では、口腔内環境と血糖値を良好に保ち、美味しく食べる喜びを取り戻す道のりを詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 糖尿病と口内炎の関係を知ると生活の質が上がる
  • 高血糖による免疫力低下から歯周病を発症する
  • 糖尿病とドライマウスの関係を知り虫歯や口臭のリスクを抑える
  • ドライマウスの改善方法を知り口腔内トラブルを未然に防ぐ
  • ドライマウスは専門科を受診し適切な検査や診断を受ける
  • ドライマウスは治療薬やセルフケアで症状緩和する
  • 口腔内と血糖の同時ケアが口内炎を予防する

自身の症状と照らし合わせ、対策に役立ててください。

目次

糖尿病と口内炎の関係を知り対策すると生活の質が向上する

糖尿病と口内炎の関係

血糖値と口腔内環境を良好に維持できると、違和感がなく食事を楽しめて、生活の質が上がります。

糖尿病はインスリンの作用不足によって慢性高血糖をきたし、長期化すると特有の合併症を生じるとともに、動脈硬化や口内炎も進行する場合があります。

口内炎とは、歯茎や歯だけでなく口腔内の粘膜に生じるさまざまな炎症や潰瘍を指す総称のことです。

この章では、糖尿病と関連がある3つの口腔内疾患を説明します。

  • 歯周病
  • ドライマウス
  • 口腔感染症

ご自分の症状と照らし合わせ、参考にしてください。

高血糖により免疫力が低下し歯周病菌が増加するため歯茎が炎症を起こす

糖尿病の人は、血糖コントロールが不十分であると、歯周病が悪化する傾向があります。

歯周病とは、歯垢に含まれる細菌が原因で、歯茎に炎症が起こる病気のことです。

糖尿病の6番目の合併症であると認識されるようになり、糖尿病が歯周病の進行を促進させます。

初期段階では歯茎の腫れや出血程度ですが、進行すると歯を支える骨が溶けてしまい、最終的に歯が抜け落ちる場合があります。

歯磨きをするたびに出血する人や、歯茎が下がってきた人は、歯周病の可能性があるでしょう。

歯周病の治療で炎症が治まると、血糖値の改善も期待できるため、日々の口腔ケアと定期的な歯科受診が重要です。

糖尿病とドライマウスは関連しており虫歯や口臭のリスクが高まる傾向にある

糖尿病の人は、唾液の分泌が減少するため口腔内のバランスが崩れ、虫歯や口内炎のリスクが高まります。

高血糖状態になると、なぜドライマウスになるのでしょうか。

体は余分な糖分を尿と一緒に排出するため、脱水状態になり口が乾きます。

合併症である神経障害で、自律神経のダメージを受けると、唾液腺の働きが低下し唾液が減少します。

唾液には自浄作用や抗菌作用があり、分泌量の減少は虫歯や口内炎、口臭の原因です。

さらに、唾液の減少で食べ物がうまく飲み込めなかったり、味覚が鈍くなったりする場合があります。

口腔内の乾きや舌の痛み、会話時の口臭は日常生活の質の低下を招き、新たな病気を疑う人もいるでしょう。

ドライマウスを防ぐために、血糖コントロールを良好に保ち、こまめな水分補給や適切な口腔ケアを心がけます。

糖尿病は細菌感染に対する抵抗力が低下するため口腔感染症のリスクが上がる

慢性的な高血糖により、白血球の働きが低下し、細菌や真菌に対する抵抗力が弱くなります。

難治性口内炎や、口腔カンジダ症などの口腔感染症を発症すると、治りが悪く重症化する人がいます。

口腔カンジダ症は、口の中の常在しているカンジダ菌が異常に増殖して起こる感染症です。

白い舌苔が舌や口腔内に付着し、こすり取ると赤くただれ、痛みや出血を伴う場合があります。

口腔内の慢性的な炎症は全身に影響し、インスリン抵抗性を高め、糖尿病を悪化させる悪循環を招きます。

入れ歯が合わなくなり歯茎にあたる、洗浄せずに長時間装着している場合も、口腔感染症の原因です。

定期的に歯科や内科を受診し、適切なケアや治療を受けましょう。

ドライマウスを改善する対処法を学び口腔内トラブルを未然に防ぐ

ドライマウスを改善する対処法

糖尿病によるドライマウスは、適切なケアや治療を行い、口腔内環境を整えると改善できます。

中高年の人は、高血糖や内服の影響に加え、加齢による変化や嚙む力の低下もドライマウスを引き起こす原因になります。

ドライマウスの症状は、次のとおりです。

  • 口や喉の乾き
  • ネバネバ感
  • ヒリヒリした痛み
  • 味覚異常
  • 口臭
  • うまく飲み込めない

このような痛みや味覚異常があると、固い食べ物を避け偏った食事になり、食の楽しみが減る場合があります。

パンや炭水化物などは、柔らかい食品ですが糖分が多く、急激な血糖上昇を招く要因です。

痛みによるストレスもホルモンバランスを崩し、血糖値を悪化させます。

糖尿病はバランスの取れた食生活が血糖コントロールに反映するため、偏った食生活にならないように口腔内環境を整えて美味しく食べましょう。

ドライマウスが気になる人は専門科を受診し適切な検査や治療を受けよう

ドライマウスは歯科を受診し、必要な検査や診断を受け、自身でできる対処法を併用すると症状が緩和します。

健康な人では、1日1〜1.5リットルの唾液が分泌され、口腔内を潤し会話や食事がスムーズに行えるように働いています。

口腔内の衛生状態が不良になり、虫歯や歯周病の悪化、口腔カンジダ症を発症する原因はドライマウスです。

この章では、ドライマウスの検査や治療、予防方法について解説します。

  • ドライマウスの検査
  • ドライマウスの治療とセルフケア

普段の生活習慣や口腔ケアを見直し、快適に過ごしましょう。

ドライマウスの検査は口腔の専門家である歯科や口腔外科で受けられる

ドライマウスの検査は、口腔の専門科である歯科や口腔外科で実施しています。

ドライマウスの原因を調べるためには、2つの唾液腺機能検査が一般的です。

ガムテストは、ガムを10分間噛んで出てきた唾液量を測定し、10mlを下回っていないか確認します。

サクソンテストは、2分間ガーゼを一定のリズムで噛み、ガーゼに浸みた唾液量が2gを下回っていないか確認します。

これらは、刺激唾液という、あごや舌の運動時に分泌される唾液の検査です。

安静時唾液の検査は、15分間リラックスした状態を保ち、口の中にたまった唾液量が1.5mlを下回っていないか調べます。

いずれも簡単にできる検査で、検査当日に結果がわかります。

ドライマウスは治療薬のほかに簡単なセルフケアで症状緩和が期待できる

ドライマウスは、歯科や歯科口腔外科の専門科による治療と、日常生活で簡単にできるセルフケアで症状を緩和できます。

治療薬は、唾液腺に刺激を与えて唾液分泌を促す、唾液分泌促進薬や人工唾液です。

唾液が増えると食べ物の通りや会話もスムーズになるため、生活の質を高める効果があります。

市販の口腔内保湿スプレーやジェル、保湿洗口剤もあるため、手軽に口腔内を潤せます。

すっきりするミント風味や、甘い風味のジェルも販売されているため、好みに合わせて使いましょう。

ドライマウスの根本的な治療法は確立されていないため、症状を緩和する対症療法が主です。

日常生活でできるセルフケアには、食事や唾液を促すマッサージなどさまざまな方法があり、継続したケアが大事になります。

水分補給脱水を防ぐために糖分を含まない飲料をこまめに摂る
血糖管理食事や薬物療法を守り血糖コントロールを良好にする
唾液腺マッサージ1日2~3回マッサージを行う
食事酸味のある食品を摂取する
よく噛む
生活習慣室内を湿度50〜60%に加湿する
禁煙する
毎日歯茎や歯の状態を鏡を見て確認する

ドライマウスを改善し、虫歯や口内炎の予防だけでなく、高血糖時の口の乾きを軽減しましょう。

口内炎の予防法と対策を知り血糖管理と同時にケアしていく

口腔内と血糖の同時ケア

糖尿病の人は、血糖管理のみで健康状態が保てるわけではありません。

合併症を引き起こし悪化しないように、日頃から自身の体に異常がないか、注意深く過ごす必要があります。

高血糖になると口内炎が起こり、口内炎の症状が長引くと、血糖値が上昇する悪循環を招きます。

症状を早期発見して治療を開始すると短時間で改善するため、定期的に内科と歯科を受診しましょう。

歯科受診の際は、糖尿病であると伝え、最新の血糖値のデータや内服歴がわかるお薬手帳を持参します。

歯のクリーニングを定期的に行うと、歯周病や口臭の予防になるほか、自身では気づかない口腔内の異常を早期に見つけられる場合があります。

痛みやしみるなどの症状がある場合は、刺激の少ない洗口剤でうがいすると、殺菌効果や粘膜保護に役立つでしょう。

内科は、血糖値の検査や適切な内服を処方してもらうため、継続的な受診が欠かせません。

管理栄養士が勤務する医療機関は、口内炎ができた時の食事療法についてアドバイスしてくれます。

栄養バランスが偏らないよう、刺激が少ない食材選びやレシピを参考に、食事療法を行います。

口腔内と血糖の同時ケアが口内炎を予防し、早く改善する鍵となるでしょう。

口腔内環境を整え血糖管理を行い食べる喜びを取り戻そう

糖尿病と口内炎は密接な関係があり、血糖コントロールの乱れは免疫力の低下や唾液量の減少につながります。

唾液量の低下は口腔内の自浄作用を弱めるため、口内炎や歯周病のリスクが高まり、口腔内環境の悪化を招きます。

毎日の歯磨きや保湿ケア、定期的な歯科受診は口内炎予防に欠かせません。

さらに、血糖管理を適切に行うと炎症が軽症で済み、口腔内トラブルの再発防止にもなります。

口の痛みが改善すると食事を楽しむ余裕も生まれ、生活の質も向上します。

口腔ケアと血糖コントロールの両立で、健康的に食べる喜びを取り戻しましょう。

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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