アボカドは健康や美容に良いイメージがあるけれど、具体的な効果やしくみはわからないという人もいるでしょう。
アボカドには豊富な栄養が含まれており、血糖値の急上昇を防ぐ優秀なパートナーになります。
今回は、アボカドが血糖値に及ぼす影響と食べるのに最適なタイミングについてまとめました。
- アボカドに含まれている成分は血糖値の急上昇を防ぐ
- アボカドの効果を最大限に活かす食べ方
- 組み合わせで相乗効果が得られる食材
- 血糖値が気になる人が食べる際の注意点
アボカドが持つ健康効果に興味がある人、効果的な食べ方を知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
アボカドには豊富な栄養と血糖値の急上昇を防ぐ成分が含まれている

アボカドには、以下の豊富な栄養と血糖値の急上昇を防ぐ成分が含まれています。
- オレイン酸などの不飽和脂肪酸
- 食物繊維
- ビタミンE
- ビタミンB群
- カリウムなど
アボカドには良質な脂質や食物繊維などが含まれており、世界一栄養価の高い果物としてギネスブックに登録されています。
全体の約18%〜20%を脂肪分が占め、濃厚な口当たりから森のバターとも呼ばれています。
国内で販売されているアボカドのほとんどは海外産であり、1年を通してスーパーの生鮮食品売場で入手が可能です。
一般的な価格は100円〜200円程度と比較的安価なため、身近な食材で健康の維持や糖尿病の予防を目指している人に向いています。
オレイン酸などの不飽和脂肪酸が血糖値コントロールに役立つ
アボカドにはオレイン酸やリノール酸、α-リノレン酸などの不飽和脂肪酸が含まれており、血糖値コントロールに役立ちます。
不飽和脂肪酸は、植物や魚の脂に多く含まれている良質な脂質です。
血糖値コントロールとは血糖値を可能な限り正常値に近づけることで、糖尿病や合併症を予防する効果があります。
血糖値コントロールを表す指標には血糖値とHbA1cがあり、以下のような診断基準が設けられています。
| 正常値 | 正常高値 | 境界型 | 糖尿病型 | |
|---|---|---|---|---|
| 空腹時血糖値(mg/dL) | 99以下 | 100以上109以下 | 110以上125以下 | 126以上 |
| HbA1c(%) | 5.5以下 | 5.6以上5.9以下 | 6.0以上6.4以下 | 6.5以上 |
アボカドに含まれている不飽和脂肪酸の中で、最も割合が多いのがオレイン酸です。
オレイン酸は胃の中に長く滞留して消化を遅らせ、食後の血糖値が急上昇するのを防ぐ働きがあります。
さらに悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させ、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立ちます。
アボカドに含まれるのは健康効果がある不飽和脂肪酸であるため、体に悪影響を与えずに脂質を摂取できます。
糖質の吸収をおだやかにする水溶性食物繊維を摂取できる

アボカドは水溶性と不溶性の両方の食物繊維を含んでおり、水溶性食物繊維には糖質の吸収をおだやかにする働きがあります。
水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状となり、消化管の中で食べ物を包み込んでゆっくり移動するためです。
血糖値の急上昇を抑える効果により、インスリンの過剰分泌を抑えてすい臓の負担も軽減できます。
さらに、水溶性食物繊維には以下の健康効果も期待できます。
- 悪玉コレステロールを低下させる
- 高血圧を予防する
- 腸内環境を整える
- 便秘を改善する
余分なコレステロールや塩分を体外へ排出して腸内環境を整える働きがあり、生活習慣病の予防につながります。
血糖値が気になる人の中には脂質異常症や高血圧を併発している人も多く、水溶性食物繊維の効果が役立ちます。
不溶性食物繊維は腸を刺激して便通を促進する働きがあり、便秘の解消に有効です。
食物繊維が多い食品は自然と噛む回数が増えて満腹感を得られるため、食べ過ぎや早食いを予防する効果もあります。
血糖値コントロールには適切な食事量やカロリーの管理が重要であり、食物繊維の摂取が良い影響を及ぼすでしょう。
糖質が少なく食後に血糖値が急上昇するのを抑えられる
アボカドは果物に分類されますが、他の果物に比べて糖質が少なく、食後に血糖値が急上昇するのを抑えられます。
参照元:食品詳細 果実類/アボカド/生 – 食品成分データベース – 文部科学省
参照元:食品詳細 果実類/バナナ/生– 食品成分データベース- 文部科学省
食品詳細 果実類/ぶどう/皮つき/生 – 食品成分データベース – 文部科学省
糖質は血糖値を上昇させる直接原因となるため、アボカドは糖尿病患者にも向いている食品です。
そのため、糖尿病の食事療法や糖質制限を行っていて果物を控えている人も適量であれば食べても問題ありません。
アボカドの効果を最大限に引き出すには食べるタイミングも大切

血糖値は食品を食べる順番によって大きく異なるため、アボカドの効果を最大限に引き出すには食べるタイミングも大切です。
アボカドを食べる際に、以下3つのポイントがあります。
- 食事の最初に食べる
- 主食よりも先に食べる
- 夜間を避けて日中に食べる
アボカドは生で食べる以外にも、炒め物や揚げ物などさまざまな料理に活用できます。
アボカドに含まれているオレイン酸や食物繊維は熱に強く、加熱調理しても損なわれないため、血糖値への効果は変わりません。
しかしビタミンEやビタミンB群などのビタミン類、カリウムなどのミネラルは加熱によって減少する恐れがあります。
栄養素を効率良く摂取したい場合は生食を心がけ、今回紹介するポイントを意識すると血糖値に対する効果が大きくなります。
アボカドを食前や食事の最初に食べると糖質の吸収がおだやかになる
アボカドを食前や食事の最初に食べるとオレイン酸や食物繊維の働きにより、糖質の吸収がおだやかになります。
食事の最初にアボカドを食べるアボカドファーストという言葉もあり、血糖値だけでなくダイエットや生活習慣病の予防にも効果的です。
食物繊維が多い食品をよく噛んで食べると満腹感が感じられ、食べ過ぎを防止できます。
アボカドファーストに向いているメニューは、簡単に作れるサラダや和え物、ナムルなどです。
これらのメニューは加熱調理せずに生のアボカドを使うため、栄養素を逃さずに摂取できます。
一度に多くの量を食べられない場合は、複数回の食事に分けて食べる方法もあります。
アボカドはGI値が高い白米や食パンなどの主食よりも先に食べる

アボカドを食べる順番は、GI値が高い白米や食パンなどの主食の前に食べるのが効果的です。
白米や食パンなどの炭水化物には糖質が多く含まれており、血糖値を急激に上げてしまう恐れがあります。
血糖値に効果的な食べる順番は初めにアボカドなどの食物繊維が多い野菜、次にタンパク質が多い肉や魚のおかず、最後に主食です。
アボカドの健康効果により、血糖値スパイクを防いで血糖値コントロールを良好に保てるでしょう。
血糖値を安定させるには主食の量を減らすのも有効であり、アボカドを先に食べる食事法は自然と主食の量を減らせます。
食べ始めてから満腹中枢が働くまでには約15分〜20分程度かかるため、ゆっくりと時間をかけて食べるのも大切です。
アボカドは夜間を避けて活動量や消費カロリーが多い日中に食べる
アボカドにはカロリーや脂質が多く含まれているため、夜間を避けて活動量や消費カロリーが多い日中に食べるのがポイントです。
夜間にカロリーを多く摂取すると、消費しきれなかったカロリーが脂肪として体内に蓄えられ、体重の増加や肥満につながります。
アボカドは消化吸収に時間がかかるため、夜遅い時間の摂取によって消化不良や寝つきの悪さにつながる恐れがあります。
アボカドに含まれている脂質は体のエネルギー源となり、日中はエネルギーの効率的な利用が可能です。
特に朝食は1日を通して血糖値を安定させる役割があり、セカンドミール効果も期待できます。
血糖値の急上昇を抑える効果があるアボカドを朝食に食べると、昼食後の血糖値も良好に保てるでしょう。
そのほか朝食によって満腹感が持続し、昼食の食べ過ぎを防ぐ効果もあります。
アボカドは他の食材との組み合わせで血糖値への相乗効果が得られる

アボカドは以下のような食材との組み合わせで、血糖値への相乗効果が得られます。
- 緑黄色野菜
- 魚介類
- 肉類や卵などのタンパク質が多い食材
アボカドは洋食のイメージが強いかもしれませんが、和食とも相性が良いという特徴があります。
クリーミーで濃厚な風味は、和食に使われるしょうゆやわさびなどの調味料ともよく合います。
ねっとりとした食感はトロに似ているため、しょうゆと合わせると刺身を食べているような感覚を味わえるでしょう。
ここでは、他の食材との組み合わせで得られる相乗効果について詳しく解説します。
緑黄色野菜と一緒に摂取するとビタミンの吸収率が高まる
アボカドと緑黄色野菜を一緒に摂取するとビタミンの吸収率が高まり、栄養素を効率的に摂取できます。
アボカドに含まれている脂質は、油に溶ける性質がある脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
緑黄色野菜の具体例は、以下のとおりです。
- トマト
- にんじん
- かぼちゃ
- ブロッコリー
- 小松菜
- ピーマン
- アスパラガスなど
これらの緑黄色野菜には複数のビタミンが含まれており、主な脂溶性のビタミンには以下の働きがあります。
| 種類 | 主な働き |
|---|---|
| ビタミンA | 皮膚や粘膜を健康に保つ |
| ビタミンD | 糖尿病の予防、歯や骨を丈夫にする、筋肉の維持に役立つ |
| ビタミンE | 抗酸化作用があり、血行を促進する |
| ビタミンK | 出血時の止血を促進し、動脈硬化を防ぐ |
特にビタミンDは学会の研究でインスリン抵抗性や感受性を改善し、糖尿病の予防に効果あると発表されています。
参照元:ビタミンDが糖尿病の予防と治療に役立つ可能性 – 一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会
ビタミンDは筋肉の維持においても重要な役割を果たし、筋肉量の低下は血糖値の上昇を招きます。
メニューの具体例はサラダや焼き野菜のアボカドディップ添え、パスタなどがあります。
メキシコ発祥のアボカドディップはワカモレと呼ばれ、メキシコでは定番の味として日常的に食べられています。
アボカドと緑黄色野菜の同時摂取により、ビタミンが持つ糖尿病や動脈硬化を予防する効果を高められるでしょう。
魚介類との同時摂取で栄養が効率良く吸収されて健康効果が高まる

アボカドと魚介類を同時に摂取すると体に栄養が効率良く吸収され、健康効果が高まります。
DHAは脳や目に働きかけ、健康を保ったり動脈硬化や生活習慣病を予防したりするのに有効な成分です。
EPAは血液をサラサラにする作用があり、GLP-1というホルモンの分泌を促進して血糖値を下げる効果が期待できます。
鮭やエビには赤い色素成分のアスタキサンチンも含まれており、アスタキサンチンは強い抗酸化作用が特徴です。
体内の余分な活性酸素は血管や細胞を傷つけてインスリンの分泌を阻害し、糖代謝に悪影響を及ぼします。
抗酸化作用によって体内の酸化ストレスが減少すると、インスリン抵抗性が改善して血糖値を安定させるのに役立ちます。
アスタキサンチンには脂溶性の性質があるため、アボカドと一緒に摂取すると抗酸化作用が高まります。
メニューの具体例はマグロのアボカド和えや鮭とアボカドのサラダ、エビとアボカドの炒め物などです。
アボカドの脂質によってビタミンの吸収も良くなるため、魚介類の栄養を最大限に摂取できるでしょう。
タンパク質が多い肉類や卵との組み合わせで栄養バランスが整う
アボカドはタンパク質が多い肉類や卵との組み合わせで栄養バランスが整い、血糖値コントロールに役立ちます。
アボカドに不足しているタンパク質が補われ、肉類や卵に含まれている脂溶性ビタミンの吸収率が高まります。
アボカドと肉類や卵などのタンパク質が多い食品は、どちらも糖質が少なく血糖値に悪影響を与えない食品です。
消化の速度が似ている食材の組み合わせは体への負担が少なく、消化吸収が効率良く行われます。
メニューの具体例はアボカドの肉巻きやロコモコ丼、アボカド入りスクランブルエッグなどです。
アボカドと肉類は味や食感の面でも相性が良く、アボカドが持つ濃厚な風味が肉の旨味を引き立てる役割を果たします。
アボカドの正しい食べ方と血糖値が気になる人向けのポイントを解説

アボカドは、包丁で切る前に流水でよく洗って水気を拭き取るのが正しい食べ方です。
妊婦や高齢者、免疫力が低下している人はリステリア菌による食中毒が重症化してしまう恐れがあります。
皮から中身に菌が移ってしまうのを防ぐには、手や野菜ブラシを使って皮の表面をこするように洗うと効果的です。
洗った後はペーパータオルや清潔な布巾で水気を拭き取ると、実に菌が入り込むリスクを減らせます。
おいしく食べるコツは皮の色や実の弾力で食べ頃を判断する
アボカドをおいしく食べるには、皮の色や実の弾力で食べ頃を判断するのがコツです。
まだ熟していないアボカドは皮が緑色ですが、実が熟すにつれて緑色が濃くなり、熟した状態では黒っぽくなります。
硬い場合は室温で数日間保存すると追熟して柔らかくなり、ヘタを取り除くと追熟が早まります。
アボカドを何回かに分けて食べる場合、包丁で切った表面が茶色っぽく変化しますが、変色している部分を食べても問題ありません。
変色が気になる人は断面にレモン汁やお酢を塗り、ラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
血糖値が気になる人がアボカドを食べる際は、1日に食べる量や他の脂質の量を調整するのがポイントです。
アボカドは1日の摂取量を守って食べ過ぎないようにする
血糖値が気になる人がアボカドを食べる際は、1日の摂取量を守って食べ過ぎないようにするのが大切です。
アボカド1個あたりのカロリーは約250kcal、脂質は約26gあり、食べ過ぎは体重増加や肥満の原因となります。
糖尿病の治療を受けている人や食事療法をしている人は、医師や管理栄養士に相談するとよいでしょう。
アボカドを週に1個食べると心臓病のリスクが下がるという研究結果もあり、健康効果を得るには適量を継続して食べるのが重要です。
アボカドを食べる際は1日の摂取カロリーや他の脂質の量を調整する
血糖値や体重増加が気になる人がアボカドを食べる際は、1日の摂取カロリーや他の脂質の量を調整するのがコツです。
血糖値コントロールには摂取カロリーや体重の管理が重要であり、1日全体の摂取カロリーが多くなりすぎないように心がけます。
脂質は、以下の食品に多く含まれています。
- アマニ油やオリーブオイルなどの植物油
- ベーコンやウインナーなどの加工肉
- バターや生クリームなどの乳製品
- 天ぷらや唐揚げなどの揚げ物
- ファーストフードやインスタント食品など
これらの食品を減らすと脂質が多くなりすぎず、アボカドが持つ健康効果が血糖値コントロールに役立ちます。
バターの代わりにトーストに塗る、アボカドディップをソースの代わりにするなど、普段摂取している脂質をアボカドに置き換える方法もあります。
アボカドを食べる際は今回紹介したポイントを意識しながら、食生活に取り入れてみてください。
アボカドを食生活に取り入れて血糖値コントロールに役立てよう!
アボカドには血糖値の急上昇を防ぐ成分が含まれており、食生活に取り入れると血糖値コントロールに役立ちます。
不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸は食後に血糖値が急上昇するのを抑え、悪玉コレステロールを減らす働きをします。
水溶性食物繊維が糖質の吸収をおだやかにし、高血圧の予防や腸内環境の改善にも効果的です。
アボカドは夜間を避けて、日中の食事の最初や主食の前に食べると健康効果を最大限に引き出せます。
さらに魚介類や緑黄色野菜、肉類や卵などのタンパク質が多い食品と組み合わせると相乗効果を得られます。
アボカドは包丁で切る前に流水でよく洗い、1日に1/2個程度を目安に食べ過ぎないようにするのが大切です。
アボカドは良質な脂質や食物繊維が豊富で、血糖値の安定を助ける食材であるため、ぜひ血糖値コントロールのパートナーとして取り入れてみてください。

