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糖尿病で眠れない原因や睡眠不足が血糖値を高める理由を解説

眠れない原因と睡眠不足の影響

糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる病気であり、さまざまな症状や病気を併発する可能性があります。

睡眠不足も糖尿病が原因で起こる症状の1つですが、その状態がさらなる血糖値の上昇を招いて、悪循環を発生させます。

この記事では、糖尿病で眠れない原因や睡眠不足が血糖値を高める理由などをまとめました。

この記事でわかること
  • 糖尿病の手足のしびれや喉の渇きといった自覚症状で眠りが浅くなる
  • 睡眠不足はホルモンバランスを変化させて、血糖値の上昇を招く
  • 睡眠不足の改善基準として6~8時間の睡眠を取れるようにする
  • 睡眠の質を上げるための適切な食事や入浴時間、快適な室温や湿度

血糖値が高めの人や睡眠不足の自覚がある人は、参考にしてください。

目次

糖尿病の自覚症状が睡眠を阻害して悪循環を発生させる

糖尿病を発症している場合、健康的な人よりも睡眠障害が発生する頻度が高いといわれています。

睡眠障害が発生する主な原因は、以下のとおりです。

  • 手足のしびれや痛みといった糖尿病の自覚症状が睡眠中にも発生して、眠りが浅くなる
  • 糖尿病の自覚症状で喉が渇き、寝る前に水分を多く摂取して、睡眠中に尿意を覚えて起きてしまう

どちらも糖尿病の自覚症状が原因であり、眠りが浅くなって寝つきが悪くなったり、予定よりも早く目覚めたりしてしまいます。

上記が原因で睡眠不足が発生すると、血糖値の上昇を招くため、糖尿病の治療を阻害する悪循環を発生させます。

睡眠不足は血糖値の上昇を招いて糖尿病の発症リスクを高める

糖尿病発症リスクを高める

糖尿病以外の原因でも睡眠不足は発生する可能性があり、健康な人でも睡眠不足に陥ると血糖値の上昇を招いて、糖尿病の発症リスクが高まります。

睡眠不足はホルモンバランスを変化させるため、血糖値の上昇に関連する以下のようなホルモンの動きに影響を与えます。

  • インスリンの動きを阻害するコルチゾールの増加
  • インスリンの分泌を抑制するノルアドレナリンの増加
  • 満腹ホルモンのレプチンの分泌量が減り、空腹ホルモンのグレリンが増加する

インスリンは血糖値を下げる役割があり、食事で糖質を摂取した際に分泌されるホルモンです。

コルチゾールやノルアドレナリンが増加した場合、インスリンが正常に働かず、血糖値を下げきれずに高止まりさせる可能性があります。

レプチンとグレリンについては、グレリンのほうが優位になって、食事量の増加から血糖値の急上昇を招きます。

糖尿病対策としても6~8時間の睡眠を取れるように改善していく

厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、成人は6〜8時間の睡眠が適当であるとされています。

そのため、糖尿病対策で睡眠不足を改善する基準としても、1日に最低6時間以上の睡眠を目指していきましょう。

韓国の生活習慣病と睡眠時間の調査においても、糖尿病リスクが最も低いのは睡眠時間が7〜8時間という結果が出ています。

10時間を超えると睡眠過多でリスクが上昇する結果も出ているため、過剰に睡眠を取る必要はありません。

一方で、6時間以上の睡眠でも2時間おきに目覚めるような睡眠の場合は、質が悪い可能性があります。

トイレなどの生理現象を除いて、途切れなく快適な睡眠を続けられるように、次の項目の工夫も実践してみてください。

睡眠の質を上げたい場合は就寝前の環境を整えてから入眠する

就寝前の環境を整えてから入眠

睡眠不足を改善するうえで、単に寝る時間を確保するだけでは、なかなか寝つけない人もいます。

長期的な睡眠や睡眠の質を上げるためにできる工夫の例としては、以下のとおりです。

  • 就寝前の食事と入浴の時間を調整する
  • 寝室の温度や湿度を快適な設定にする
  • 寝る前のスマホ使用を控える
  • 自分なりの睡眠ルーティンを見つける

上記を実践しながら、まだ糖尿病や高血糖を発症していない場合は、食事や運動でも血糖値の上昇を対策していきましょう。

既に糖尿病を発症している場合は、糖尿病の治療を続けて、自覚症状が発生する頻度を下げていきます。

食事や入浴は寝る直前よりも時間を空けたほうが深い眠りにつける

毎日寝る前に行う食事や入浴については、寝る直前よりもある程度時間を空けたほうが深い眠りにつけます。

食事は、就寝の2〜3時間前までに済ませましょう。

食べてから消化が終わるまでの時間が約2〜3時間であるため、消化が終わってから寝ると深く眠れる可能性が高まります。

入浴については、38〜40℃のぬるめのお湯にして、就寝の1〜2時間前に10〜15分程度行う方法が理想的です。

高温や長時間の入浴で体温が上がりすぎると、寝るまでに体温が下がらず、寝つきが悪くなります。

寝室の温度や湿度は基準を参考にしながら自分が心地よい状態にする

多くの人が共通して快適に感じる温度や湿度の目安は、以下のとおりです。

室温夏場:26~28℃前後冬場:16~20℃前後
湿度一年を通して40~60%

体温と同様に室温も高すぎると、身体が温まって寝るまでに体温が下がらず、寝つきが悪くなります。

ただし、温度や湿度については個人で感じ方が異なるため、上記の基準が必ずしも適温とは限りません。

体温を下げようとして自分が寒いという温度にしてしまうと、かえって眠りが浅くなります。

睡眠不足が慢性的に続いている人は、温度や湿度の基準を試しながら、自分が心地よいと思う温度や湿度を見つけてください。

寝る前のスマホ使用を控えてブルーライトや情報によるストレスを防ぐ

スマホを見ない習慣付け

寝る前にスマホをよく見る人は、スマホから発せられるブルーライトが体内時計を乱して、睡眠の質を悪くする傾向があります。

食事や室温などを改善しても寝つきの悪さや睡眠が途切れる場合は、寝る前のスマホの使用を控えてみましょう。

目安としては就寝の1〜2時間前には、スマホを見ないようにする習慣付けが理想的です。

スマホはブルーライト以外にも、仕事の通知やSNS等からの情報過多でストレスを与えて、眠りを妨げる可能性があります。

仕事柄、スマホの通知を完全に絶てない場合もありますが、可能なかぎり就寝時間中はスマホの通知を切ってください。

自分なりの睡眠ルーティンがある場合は基準よりも優先する

先に紹介した就寝前の食事や室温などは、多くの人が快適に睡眠できる基準ですが、人によっては合わない可能性もあります。

これまでの睡眠環境やルーティンで問題なく眠れている場合は、基準よりも自分のルーティンのほうを優先してください。

寝る前の習慣がない人は、周りの人の睡眠ルーティンを聞いて、参考にする手もあります。

糖質のある食材を一気に食べるなど、直接的に血糖値を上昇させるような習慣を除いては、他人の睡眠ルーティーンでも問題なく実践できるでしょう。

ただし、他人のものが自分にも適しているとは限らないため、合わない場合はすぐに止めるなど状況に応じた対応が大切です。

糖尿病で眠れない状態や根本的な睡眠不足を改善して血糖値を正常に保つ

糖尿病を発症している場合、手足のしびれや喉の渇きなどの自覚症状から眠りが浅くなり、慢性的な睡眠不足に陥る危険性があります。

健康的な人も糖尿病以外で睡眠不足が続く場合、ホルモンバランスの変化から血糖値の上昇を招き、糖尿病リスクが高まります。

そのため、糖尿病の有無にかかわらず、血糖値を正常に保つためには睡眠不足を改善できるように工夫しましょう。

厚生労働省の示す基準では、1日最低6時間以上の睡眠が適当とされています。

睡眠時間の確保のみで寝つけない場合は、就寝前の環境やルーティンを見直す必要があります。

十分な睡眠は糖尿病以外の病気の対策にもつながるため、睡眠不足を感じる人は実践してみてください。

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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