急な下痢の発生は、糖尿病が原因である可能性があります。
下痢がいつ起こるかわからない状況で、外出時に気持ちが休まらず、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は、糖尿病が下痢を引き起こす仕組みについて解説します。
糖尿病と上手に付き合いながら下痢に備える方法や、医師に相談する際のポイントなどについても説明します。
- 急な下痢は糖尿病が原因の可能性がある
- 高血糖による自律神経が腸にダメージを与える
- 糖尿病の治療薬が下痢を引き起こす場合もある
- 糖尿病と上手に付き合いながら腸の健康を維持するポイント
- 下痢の内容を記録して医師との相談に活用する
今回の記事を参考にして、糖尿病治療に取り組みながら健康な生活を送るためのヒントにしてください。
急に起こる下痢は糖尿病が原因の可能性がある

下痢が急に起こる場合は、糖尿病が原因である可能性があります。
予兆なく、急に下痢が起こる人は、外出時に常に不安な気持ちを抱えてしまっているのではないでしょうか。
常にトイレの位置を確認しながら行動する生活は、ストレスがかかるものです。
糖尿病と下痢の関係性について、以下の3点を通して解説します。
- 排便の悩みは生活の質を著しく低下させる重要な要因
- 慢性的な下痢の背景には糖尿病特有の身体の変化が隠れている
- 下痢と便秘を繰り返す場合も糖尿病性腸機能異常のサイン
糖尿病治療中の人は、急な下痢が起こる状況を受け入れるところから始めましょう。
排便の悩みは生活の質を著しく低下させる重要な要因
排便の悩みは、日々の生活の質を著しく低下させる要因として、深刻なストレスになります。
会社で勤務中にたびたびトイレに駆け込まないといけない状況は、集中して業務に取り組めず、仕事の効率が下がります。
外出中は、常にトイレの位置を確認しながら行動しないといけなくなり、不安を抱えるストレスに悩まされる場面も増えるでしょう。
糖尿病の治療は、投薬治療と定期的な医療機関の訪問など長期的にわたって取り組む必要があり、根気のいるものです。
糖尿病治療に加えて下痢の不安にさいなまれる状況は、快適な生活を阻害する要因となります。
慢性的な下痢の背景には糖尿病特有の身体の変化が隠れている
糖尿病患者が慢性的な下痢になる背景には、病気特有の身体の変化に起因している可能性があります。
慢性的な高血糖の状態が継続すると、血管や神経に悪影響が及び、腸のコントロールがうまくいかなくなります。
暴飲暴食や細菌感染などによって起こる下痢とは原因が根本的に異なるため、簡単に改善が得られない点は受け入れる必要があります。
下痢になる要因はさまざま考えられますが、糖尿病が引き起こす特有の身体変化によって下痢が発生している場合は、糖尿病治療に伴う長期的な対応が不可欠です。
下痢と便秘を繰り返す場合も糖尿病性腸機能異常のサイン
下痢と便秘が交互に繰り返される症状は、糖尿病性腸機能異常のサインと考えられます。
高血糖状態の継続は、自律神経に異常をきたすため、腸にも悪影響が及んでしまいます。
腸のぜん動運動が強くなりすぎると下痢が起こり、逆に弱くなると便秘になると考えられます。
急な下痢の悩みに加え、便秘になって腹部の圧迫感が常に付きまとう時期もあるでしょう。
下痢や便秘が交互に起こる糖尿病特有の異常は、罹患期間が長いほど多く発生します。
糖尿病治療と排便の異常は、切りたくても切れない関係にあると理解して取り組む必要があります。
高血糖が自律神経にダメージを与えて腸の働きを狂わせている

高血糖の状態が継続すると、自律神経がダメージを受けて腸の働きを狂わせます。
糖尿病になり、血糖値が高くなると、血管に加えて自律神経にも異常が及びます。
糖尿病によって起こる下痢も、自律神経の異常が原因です。
高血糖が自律神経に与える影響について、以下の3点を通して解説します。
- 交感神経と副交感神経のバランスが崩れると腸の異常が発生
- 血糖コントロール不良が続くほど腸の調整機能は低下する
- 夜間に発生する激しい下痢は糖尿病性神経障害の特徴の1つ
高血糖と下痢の関係を理解するうえで、自律神経の作用は欠かせない要素です。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると腸の異常が発生
自律神経を構成している、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、腸に異常をきたしてしまいます。
排便のリズムは、交感神経と副交感神経のバランスよい作用によって安定するものです。
交感神経が活発になると、腸の働きが抑えられて排便が抑制されます。
一方、副交感神経が優位になると、腸のぜん動運動が促進されて排便が促されます。
本来は交感神経と副交感神経のバランスが維持されるため、排便は安定している状態です。
しかし高血糖の状態が続くと神経細胞が正常に働かなくなり、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうため、下痢や便秘を繰り返すようになります。
交感神経と副交感神経の異常が原因で発生する点が、高血糖を起因とする下痢の特徴です。
自律神経障害は消化管全体に影響を及ぼす可能性がある
高血糖を原因とした自律神経障害は、腸のみでなく他の消化管全体に影響を及ぼす可能性があります。
消化管は、食道から胃につながり、腸に続いている器官です。
たとえば、胃の働きの不良によって、胃もたれや少量の食事による満腹感などが起こります。
直腸においては、便意を感じなくなったり、失禁したりする症状が多いです。
自律神経は体内のさまざまな器官の調整役を担っているため、自律神経障害が引き起こされるとあらゆる不調のリスクが高くなると理解しておきましょう。
血糖コントロール不良が続くほど腸の調整機能は低下する

高血糖など、血糖コントロール不良が継続するほど、腸の調整機能は低下していきます。
いずれも腸の正常な働きを阻害する要因であるため、下痢と便秘の繰り返しなど多くの不具合が起こるでしょう。
さらに、高血糖の状態が継続すると、下痢や便秘など排便上のトラブルが発生する頻度が増します。
夜間や早朝にも症状がみられるようになり、生活にさらなる悪影響をもたらします。
腸の不良が継続した結果、十分な食事ができなくなり、より血糖値が不安定になる悪循環を引き起こしかねません。
糖尿病に罹患し、高血糖の状態が継続している人は、腸の不調に対する準備が不可欠です。
夜間に発生する激しい下痢は糖尿病性神経障害の特徴の1つ
夜間の激しい下痢の発生は、糖尿病性神経障害の特徴の1つと考えられます。
一般的に夜間や就寝中は、副交感神経が優位になりますが、健常者の場合はそれでも排便に影響はありません。
しかし、糖尿病に罹患している人は副交感神経が過剰に働いて、通常よりも刺激が強くなってしまうため下痢を引き起こします。
さらに、糖尿病を原因とした下痢は自律神経の障害から起こる水分の分泌異常により、水様便が多くみられます。
夜間に繰り返し激しい下痢が発生する場合は、糖尿病性神経障害の可能性が高いため、安易に市販薬を使用せずに早めに専門医に相談しましょう。
糖尿病の治療薬が腸内環境に異常を起こしている可能性もある

糖尿病治療に利用している薬剤が作用して、腸内環境に異常を起こしている可能性もあります。
下痢などの異常がみられる場合は、投薬治療の継続について医師と相談してください。
糖尿病の薬剤と腸内環境の関係について、以下の3点を通して解説します。
- 糖の吸収を遅らせる薬剤が腸内のガスや水分の停滞を引き起こす
- 複数の薬剤を併用している場合は相互作用にも留意する必要がある
- 薬の副作用が疑われる場合も自己判断を避けて専門医の指示を仰ぐ
下痢が治まらない場合に備えて、糖尿病の治療薬に関する知識を深めておきましょう。
糖の吸収を遅らせる薬剤が腸内のガスや水分の停滞を引き起こす
糖吸収を遅らせる働きをもつ薬剤が、腸内におけるガスや水分の停滞を引き起こし、腸内環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
糖尿病治療には、α-グルコシダーゼ阻害薬などの糖吸収を遅らせる作用をもつ薬剤の使用が一般的です。
腸内細菌が糖質を分解および発酵した結果、腸内でガスの発生が増えたり、浸透圧上昇による水分の引き込みが起こったりします。
本来は消化されるはずの糖質が腸に残る結果、腸内環境が悪化して下痢などの症状を引き起こす点が、糖尿病薬剤使用時に留意するポイントです。
メトホルミンなどの服用初期には一時的な軟便が見られる
メトホルミンなど、一部の糖尿病用薬剤を服用し始めたころは、一時的な軟便がみられる症例も多いです。
メトホルミンは、主に2型糖尿病の治療に使われる飲み薬で、肝臓における糖の生成を抑制したり、筋肉で糖の利用を促進したりする作用があります。
メトホルミンなどの糖尿病治療用薬剤は、服用すると体内の糖質吸収に変化を起こす薬です。
しかし、軟便や軽度の下痢の発症は薬剤の特徴でもあるため、即座に投薬治療を中止する必要はありません。
身体が薬剤の効果に慣れていき、排便異常が解消される事例もあります。
投薬治療を始めて間もないころは、自分と相性が悪いとすぐに判断せずに、医師と相談しながら様子をみる姿勢も必要です。
複数の薬剤を併用している場合は相互作用にも留意する必要がある

糖尿病の治療に複数の薬剤を併用している場合は、薬同士の相互作用についても留意する必要があります。
糖尿病は、さまざまな種類の薬剤の組み合わせた治療が重要です。
症状に合わせた薬剤の組み合わせにより、高血糖の緩和や合併症の予防を行います。
しかし、組み合わせ次第では相互作用が起こって副作用が強まったり、想定以上の効果が発現したりする恐れがあります。
たとえば、糖尿病治療薬を服用している際に風邪治療などの目的で抗生物質を摂取すると、腸内細菌のバランスが崩れて排泄上の障害につながる可能性が高まります。
糖尿病治療に薬剤を服用している場合は、他の薬の併用による相互作用が起こらないよう、専門医に相談しながら対処しましょう。
薬の副作用が疑われる場合も自己判断を避けて専門医の指示を仰ぐ
服用した薬剤の副作用が疑われる場合でも、自己判断はせずに必ず専門医の指示を仰ぎましょう。
糖尿病治療用の薬剤を使用した際に、下痢など排便におけるトラブルが起こる場合もあります。
薬剤の使用を止めた結果、糖尿病が悪化して重篤な合併症を引き起こしてしまう可能性があります。
糖尿病治療用の薬剤は、腸に影響を及ぼすものも多いため、一時的な排泄上のトラブルは誰でも起こり得ます。
薬剤の服用を止めたほうがいいのか、副作用のほうを優先的に回避したほうがいいのか、判断は自分でせずに必ず専門医に相談してください。
下痢の頻発により脱水症状や低血糖のリスクが増大する場合もある

糖尿病および治療用薬剤の影響で下痢が頻発した場合、脱水症状や低血糖のリスクが増大します。
下痢に対して、ウイルスや毒素などの有害物質を体外に排出するという意味で、自浄的な効果があると考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、糖尿病を起因とした下痢に関しては自浄作用はないため、早期の適切な対処が肝要です。
糖尿病を起因とした下痢がもたらすリスクについて、以下の3点を通して解説します。
- 体内の電解質バランスが崩れる前に水分補給を積極的に実施する
- 水分や栄養の吸収が不十分になると血糖値が不安定になる
- 下痢の時はインスリンなどの糖尿病治療薬の効き目が変わる場合もある
下痢は仕方ないと油断するのではなく、早期に適切な対処を行い、二次被害の予防に努めてください。
体内の電解質バランスが崩れる前に水分補給を積極的に実施する
下痢が頻発すると、体内の電解質バランスが崩れる恐れがあります。
さらに電解質バランスの崩れで、下痢にとどまらず、倦怠感やめまいなどの症状を発生させるリスクが高まります。
激しい下痢が続く際は、水分補給はもちろん、電解質を補給できるものを取り入れるとよいでしょう。
たとえば、スポーツドリンクは水分とともに電解質を効率よく摂取できるため、積極的な活用が望ましいです。
糖尿病を起因として下痢が頻発する際は、水分のみでなく電解質の不足にも配慮した補給を行ってください。
水分や栄養の吸収が不十分になると血糖値が不安定になる
下痢が続いて水分や栄養を十分に吸収できなくなると、血糖値の不安定につながります。
下痢は栄養素を十分に吸収せずに排泄してしまうため、身体に必要な水分や栄養が不足してしまう場合があります。
同時に、栄養素の不足は生活維持に必要なエネルギー源となる糖質自体も不足して、低血糖になるリスクもあります。
倦怠感など、下痢による体調不良と低血糖の症状は似ているため、症状の悪化に気付けないケースも多いです。
下痢によって水分や栄養の吸収が不足した場合、血糖値にも悪影響が及んでしまいます。
下痢の時はインスリンなどの糖尿病治療薬の効き目が変わる場合もある
下痢の時は、インスリンなどの糖尿病治療薬の効き目が変化してしまう場合があります。
インスリンは、主に血糖値をコントロールする目的で用いられる薬です。
食事量や運動等を通して適正な血糖値を維持しながら利用するからこそ、治療薬の効果が確認できて治療の方針が決められます。
下痢によって栄養が不足している状態で利用すると、本来とは異なる効き目が生じる恐れがあります。
たとえば、栄養素の少ない状態におけるインスリンの投与は、想定よりも効き目が強すぎて低血糖につながってしまいかねません。
下痢が続く場合は、早めに専門医に相談をして、治療薬の継続の可否についての判断を仰ぎましょう。
糖尿病による下痢と他の消化器疾患を見分けるポイントがある

下痢が起こった際に、糖尿病に起因しているのか、他の原因で起こっているのかの見極めが重要です。
適切に対処するためには、下痢が発生している要因を突き止める必要があります。
下痢は、糖尿病以外にもさまざまな消化器疾患が原因で起こるため、早期に要因を特定して対処方法を検討しましょう。
特に糖尿病の治療薬を継続して支障がないかどうかの判断は、治療方針に多大な影響を及ぼすため、早めの確認が重要です。
下痢の原因が糖尿病か、それとも他の消化器疾患であるかを見極めるポイントとして、以下の2点を紹介します。
- 感染性胃腸炎や過敏性腸症候群による下痢との違いを理解する
- 血便や発熱を伴う場合は重症の可能性があるため早急な受診が必要
必ず専門医と相談のうえ下痢の原因を特定し、適切な糖尿病治療の継続に努めてください。
感染性胃腸炎や過敏性腸症候群による下痢との違いを理解する
糖尿病が原因の下痢と、感染性胃腸炎や過敏性腸症候群による下痢との違いを理解しましょう。
数日から1週間程度の自然な回復が一般的で、感染性であるため周囲にも同様の症状がある点が特徴として挙げられます。
過敏性腸症候群は、ストレスや生活習慣が原因で起こると考えられており、排便後に症状が改善する例が多くみられます。
過敏性腸症候群の場合は、夜間には症状はあまり出ません。
一方、糖尿病が原因の下痢の場合は、症状が継続する場合が多く、下痢と便秘を繰り返します。
下痢の原因を見極めるために、症状の継続性や発生時間および症状の内容を確認してください。
血便や発熱を伴う場合は重症の可能性があるため早急な受診が必要
下痢に加えて血便や発熱を伴っている場合は、重篤な状態である可能性があるため、早急に医療機関で診療を受けるほうがよいでしょう。
血便がみられる場合は、O-157などの感染性腸炎や虚血性腸炎など重病である可能性があり、放置しておくと症状がさらに悪化する恐れがあります。
さらに、糖尿病患者の場合は免疫機能の低下や電解質異常を併発する可能性が高いため、症状が重篤化するリスクも高いです。
血便がみられて高熱を伴う場合は、様子をみるのではなく、可能な限り早く専門医の診察を受ける必要があります。
糖尿病治療に利用している薬剤の継続についても合わせて相談して、治療方針の見直しを検討してください。
糖尿病と上手に付き合いながら腸の健康を維持する生活習慣

糖尿病になると、腸の不調は避けるのが難しいため、上手な付き合い方を考える必要があります。
下痢や便秘など排泄トラブルを少しでも和らげるために、生活習慣の改善を検討しましょう。
腸のトラブルを完全に無くす対応は難しいですが、症状を抑えて日常生活を過ごせるようにする工夫はできます。
糖尿病と上手に付き合いながら腸の健康を維持する生活習慣に関して、以下の2点を通して解説します。
- 生活習慣の改善により血糖値を安定させて腸の健康維持を目指す
- 適度な運動は自律神経を整えて腸の健康と血糖値管理に有効
糖尿病治療の中でも少しでも快適な生活を送るため、生活習慣の見直しに取り組んでください。
生活習慣の改善により血糖値を安定させて腸の健康維持を目指す
生活習慣の改善により、血糖値が安定すると、腸の健康維持につながって下痢の予防になります。
生活習慣を見直して血糖値の上昇を抑制できると、自律神経が安定して腸の正常化にもつながるでしょう。
見直したい生活習慣としては、以下のようなものが挙げられます。
- 規則正しい食事習慣を意識する
- 食べ過ぎず適切な食事量を心がける
- 腸に優しい消化のよい献立を優先する
腸の負担を軽減しながら高血糖も予防できるように、食事面の習慣を見直すと効果的です。
生活習慣を改善して、血糖値の管理とともに腸に負担をかけないように心がけてください。
適度な運動は自律神経を整えて腸の健康と血糖値管理に有効
高血糖対策につながる生活習慣としては、適度な運動が挙げられます。
適度な運動を習慣化すると、自律神経の安定につながり、腸の健康と血糖値管理の両立が可能です。
運動は、一時的に集中して強度の高いものに取り組むよりも、継続できる適切な強度で継続するほうが高い効果を得られます。
ウォーキングや柔軟体操など、簡単に取り組める内容を定期的に実施すると、血糖値の安定化につながって腸の健康も維持できます。
糖尿病の進行状況によっては、運動によって身体に及ぼす負担が症状悪化につながる可能性もあるため、必ず専門医と相談しながらの取り組みが重要です。
毎日の生活に運動習慣を取り入れて、血糖値管理と腸の健康の両立を目指しましょう。
下痢に悩まされる際は毎日の排便状況を記録して対策を練ろう

継続的な下痢の発生は、身体的な辛さとともに心が休まらず、多大なストレスにつながってしまいます。
下痢に悩まされる日々を改善するためには、専門医への相談が必要不可欠です。
しかし、医師に自分の状況を正確に伝える際には、準備なしで相談に臨んでも効率がよくありません。
相談に備えて、下痢の症状を含めた排便状況を記録して詳細に伝えると効果的です。
毎日の排便状況を記録する重要性について、以下の3点を通して解説します。
- 症状の発生時期や回数を記録して主治医に伝えて適切な治療を受ける
- 便の形状や色の変化などの詳細な記録も診断に有効である
- 食事内容と下痢の関連性を明確にして自分に合う食材を特定する
適切な対策を講じて下痢の症状を改善するために、ぜひ十分な準備に取り組んでみてください。
症状の発生時期や回数を記録して主治医に伝えて適切な治療を受ける
下痢の相談を主治医にする際は、症状の発生時期や回数を記録して伝えると、適切な治療を受けられます。
下痢の原因を特定するためには、どのような状況でいつどの程度の頻度で発生しているのかを把握する必要があります。
原因によって治療方法や対処方法も変わってくるため、正確な情報把握が不可欠です。
特に糖尿病患者の場合は、治療の継続の可否判断にも影響するため、可能な限り詳細に記録をとって主治医に伝えましょう。
発生する時間帯や回数によって、糖尿病が原因の下痢であるかどうかなどの判断が可能になります。
下痢の症状がみられたら、可能な範囲で詳細な記録をとって、主治医との相談の準備をしてください。
便の形状や色の変化などの詳細な記録も診断に有効である
下痢の記録をする際は、発生時間や回数に加えて、便の形状や色の変化についても詳細に記録して主治医に伝えると効率的です。
発生時間や回数のみでもかなりの判断基準になるものの、原因特定をするには情報が足りない場合もあります。
水様便や軟便などの形状の記録は、医師が診断をするうえで重要な判断基準です。
さらに、色の変化に関する情報も下痢の原因特定に貢献します。
下痢に苦しむ中で詳細に記録する行為は辛いものですが、効果的な治療を受けるためにも、可能な範囲で記録を残して主治医に正確な状況を伝えるよう努力してください。
食事内容と下痢の関連性を明確にして自分に合う食材を特定する
普段の食事の内容も、下痢と深い関連のある項目です。
食事が身体に与える影響は個人差があり、人によって消化器官に与える負担に差が生じます。
特に糖尿病患者の場合は、病状の進行度によって食事から受ける影響は異なります。
下痢に関して主治医に相談する場合は、下痢の発生前後の食事内容についても伝えると効果的です。
食事が下痢につながっていると感じる場合でも、自己判断せずに必ず主治医の指示に従いましょう。
糖尿病の治療中は、適切な食事を維持して血糖値管理を適正に行う必要があります。
下痢が起こっているからといって自己判断で食事の内容を変えると、糖尿病の症状を悪化させてしまいかねません。
下痢が頻発する際は、食事内容についても記録し、主治医への伝達を忘れないようにしてください。
薬の調整や食事療法の見直しは医師と相談のうえで実施する

糖尿病治療に用いる薬剤の調整や食事療法の見直しは、必ず主治医と相談しながら実施しましょう。
下痢の対処と同様、治療薬や食事の内容を相談なしで変更する判断は危険です。
糖尿病の症状が悪化し、重篤な合併症を引き起こしてしまいかねないため、専門医の意見を聞いて対処する必要があります。
薬剤の使用や食事療法に関する医師との相談について、以下の4点を通して解説します。
- 腸への刺激を最小限に抑える調理法や食材を選ぶ
- 人工甘味料の過剰摂取による腸の浸透圧変化が影響する場合もある
- 腸内細菌叢を整える食品を取り入れて消化吸収機能を補完する
- 脂質や食物繊維の摂取量が下痢に影響する場合もある
糖尿病治療を続けながらも可能な範囲で日常生活を快適に過ごすため、主治医と相談しながら自分に合った適切な治療内容を見つけ出してください。
腸への刺激を最小限に抑える調理法や食材を選ぶ
糖尿病の治療中は、腸への刺激を最小限に抑えられる調理方法や食材の選択が重要です。
糖尿病の食事療法において、食材選びに加えて、調理方法も考慮する必要があります。
高血糖の状態が継続すると腸の活動が不安定になるため、少しでも負担のかからない食事をして腸にかかる負荷を抑えましょう。
油の使用はできる限り避けて、煮たりゆでたりして消化のよい状態にすると、腸への刺激を抑えられます。
食材としては、たんぱく質や野菜を中心にして、血糖値の上昇を抑えながら身体にかかる負荷を最小限に抑えられるように工夫します。
主治医と相談しながら、腸への刺激を最小限に抑えるとともに、血糖値管理ができる献立を決めていく姿勢が大切です。
人工甘味料の過剰摂取による腸の浸透圧変化が影響する場合もある
人工甘味料を多く含んだ食材を過剰摂取していると、腸の浸透圧が変化して身体に悪影響が及ぶ恐れがあります。
近年は、お菓子を中心に人工甘味料を使用している食品が多いです。
一部の人工甘味料は、容易に分解されない性質をもっているため、形を保ったまま腸に届きます。
糖尿病の治療中は腸の活動が不安定であるため、人工甘味料が作用してさらに腸内環境が悪化してしまいかねません。
糖尿病治療中に限らず、人工甘味料を含む食材を過剰に摂取しないようにして、腸内の健康を保つように取り組みましょう。
腸内細菌叢を整える食品を取り入れて消化吸収機能を補完する
腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を整えられる食品を積極的に取り入れて、消化吸収機能を補完する方法も有効です。
腸内には多数の細菌が生息しており、それぞれが別々の腸内機能を発揮しています。
腸内細菌叢のバランスが取れている状態が、消化吸収および免疫機能を最大限に発揮できる環境です。
腸内細菌にとって望ましい食材としては、以下のようなものが挙げられます。
- 善玉菌を含む食品:納豆や味噌などの発酵食品など
- 善玉菌のエサになる食品:ごぼうや玉ねぎなどオリゴ糖を多く含む食材など
腸内細菌に配慮した食事を意識すると、腸内環境が整い、下痢の予防につながります。
脂質や食物繊維の摂取量が下痢に影響する場合もある
脂質や食物繊維を多く摂取すると、下痢につながってしまう場合もあります。
脂質は糖質よりもゆるやかに消化されるため、過剰に摂取した分は腸内に多く残り、腸のぜん動運動を促進します。
いずれも血糖値の管理においては有効ですが、下痢を引き起こす要因になり得る栄養素であるため、摂取量に配慮する必要があります。
下痢が頻発する場合は、脂質や食物繊維の摂取量を確認して、主治医と相談しながら食事の内容を検討するとよいでしょう。
医師に相談したほうがよい下痢の症状を把握しておこう

下痢になった際に、医師に相談したほうがよいのか、すぐに対処せずに様子を見たほうがいいのか迷う状況があるでしょう。
下痢の症状は、一時的なものの場合はすぐに治療を受けずに自然に治る症例もよくあります。
しかし、糖尿病が原因で起こる下痢に関しては、時間が経過しても改善しない場合があります。
医師に相談する目安を自分の中で決めておくと、下痢が発生した場合に慌てずに対処が可能です。
医師に相談したほうがよい下痢の症状を考える上でのポイントとして、以下の2点を解説します。
- 慢性的な下痢が数週間以上続き自然に治る様子がない場合
- 体重の急激な減少や食欲の低下を伴う下痢の場合
事前に下痢の症状について理解を深めておき、いざという時に適切な判断ができるようにしてください。
慢性的な下痢が数週間以上続き自然に治る様子がない場合
下痢が慢性的に起こり、数週間以上続いて自然に治る様子がない場合は、主治医に相談に行くほうがよいと判断できます。
感染症や食物など、外的な要因で起こる下痢の場合は、時間が経過すると自然と改善するケースが多いです。
しかし、下痢が数週間継続して起こり続ける場合は、腸の慢性的な異常が起因となっている可能性があります。
特に糖尿病患者の場合は、自律神経の不安定さが影響して腸の異常がみられる傾向にあります。
脱水症状につながり、重篤な状態に陥るリスクもあるため、下痢が収まらない場合は迷わず主治医に相談しに行きましょう。
薬剤や食事内容の見直しなど専門的な知識と経験から、適切な対応方法が示されます。
体重の急激な減少や食欲の低下を伴う下痢の場合
下痢の症状に伴って、体重が急激に減少したり食欲の低下がみられたりする場合は、主治医に相談にいくほうがよいです。
明らかに体重が減少している場合は、一時的な要因の下痢ではなく、糖尿病が原因である可能性があります。
さらに、糖尿病が原因の下痢は胃や腸など消化器官の障害によるものである場合が多く、食欲の低下にもつながります。
糖尿病治療の方法や使用している薬剤が合わない例もあるため、主治医に相談のうえ治療の方針について検討するとよいでしょう。
下痢が治まらないからといって、自己判断で食事の内容や薬剤の使用を変更する行為は望ましくありません。
糖尿病が原因の下痢に適切に対処し穏やかな生活を取り戻そう
糖尿病治療をしている人の中には、慢性的な下痢および便秘を経験する人もいます。
高血糖の状態が続くと、自律神経が不安定になり、腸の活動が阻害される場合があるためです。
糖尿病治療に用いている薬剤が影響して、腸内環境に異常をきたしている可能性もあります。
一時的な身体異常であると自己判断をして放置していると、脱水症状などが起こるリスクがあり、危険です。
糖尿病治療中は、人によっては下痢の発生が避けられない側面もあるため、症状を緩和する方法をとりながら上手に付き合っていく姿勢が必要です。

