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味噌が血糖値の上昇を抑える理由と健康的に食べるための摂取量目安を確認

味噌の健康効果と摂取量の目安

味噌(みそ)は日本で親しまれる発酵食品であり、毎日の食事で味噌汁や味噌を使った料理を食べる人も多いでしょう。

豊富な栄養素や発行成分から多くの健康効果が得られて、血糖値の上昇に対しても良い効果を発揮するという研究結果が出ています。

この記事では、味噌を摂取した際の血糖値への影響や1日の摂取量目安などをまとめました。

この記事でわかること
  • 味噌は食物繊維やたんぱく質、イソフラボンの効果で血糖値の上昇を抑えられる
  • 栄養素や発酵成分から整腸作用や抗酸化作用などのさまざまな健康効果がある
  • 味噌の種類によって食物繊維や塩分などの栄養素の含有量が変わる
  • 1日の摂取量目安は大さじ1~2杯で約30gまで
  • だしによる味付けやカリウムの多い食材と組み合わせて、味噌の塩分過多を防ぐ

毎日の食事で味噌汁を飲んでいる人や味噌の健康効果を取り入れたい人は、摂取量等を参考にしてください。

目次

味噌は適量で摂取すると血糖値の上昇を抑える効果が期待できる

血糖値上昇を抑える効果

味噌は大豆を原料とした発酵食品であり、豊富な栄養素や発酵成分が健康に良い効果を与えるとさまざまな研究結果が出ています。

血糖値に関連する味噌の研究としては、以下のような結果が出ています。

  • 味噌汁を1日3杯以上飲む人と2杯以下の人で比べた場合、1日3杯以上飲む人のほうが血糖値は低かった
  • 毎食味噌汁を飲んでいる人とそうでない人で血圧の差は見られなかった

味噌は塩分が高い印象の人もいるかもしれませんが、研究結果においては塩分による血圧の差は出ていません。

むしろ、味噌の摂取量の多い人のほうが血糖値の上昇対策として、良い影響があると証明されています。

大豆の栄養素とイソフラボンが血糖値の上昇を抑える効果を発揮する

味噌が血糖値の上昇を抑えた要因としては、原料の大豆に多く含まれる食物繊維やたんぱく質が作用したと考えられています。

栄養素効果
食物繊維水溶性食物繊維が体内に残って、糖質の消化吸収を遅らせる
たんぱく質たんぱく質の消化吸収に時間がかかって、後から摂取した糖質の消化吸収を遅らせる

血糖値の上昇は糖質を摂取して消化吸収した後に起こるため、糖質の消化吸収が緩やかになった場合は、血糖値の上昇も緩やかにできます。

栄養素と併せて血糖値に良い影響があるのは、大豆のポリフェノール成分であるイソフラボンです。

イソフラボンは血糖値を下げるホルモンであるインスリンについて、体内の感受性を高める効果があります。

インスリン感受性が高まると、血糖値を下げる効果が効率よく働き、適量のインスリンで血糖値を正常な数値に戻せます。

味噌に含まれる栄養素や発酵成分からさまざまな健康効果を得られる

味噌の栄養素や発酵成分には、血糖値の上昇を抑える効果以外にも以下の健康効果があります。

栄養素や成分主な効果
食物繊維整腸作用
たんぱく質コレステロール低下
ビタミンB群免疫力向上
疲労回復
レシチンコレステロールの吸収抑制
動脈硬化予防
自律神経の低下予防
イソフラボン更年期症状の緩和
骨粗しょう症の予防
美肌効果
生活習慣病予防
大豆サポニンコレステロール低下
抗酸化作用
乳酸菌などの善玉菌整腸作用
ペプチド血圧降下作用
抗炎症作用
整腸作用
メラノイジン抗酸化作用

レンチンや大豆サポニンは大豆由来の成分、善玉菌やペプチドなどは発酵する過程で生じる成分です。

上記の複数の健康効果により身体の健康が保たれていると、不調による血糖値の変動も対策できます。

味噌は大豆と麹の配合量によって食物繊維や塩分の量が異なる

大豆と麹の配合によって異なる

味噌は大豆と組み合わせる麹によって呼び方が変わり、日本では主に以下の3種類があります。

  • 大豆に米麴を合わせた米味噌
  • 大豆に麦麴を合わせた麦味噌
  • 大豆に豆麹を合わせた豆味噌

一般家庭の味噌としてよく使われているのは米みそであり、大豆と米麴の配合量によって、辛味噌と甘味噌に分けられます。

米味噌の100gあたりの栄養素は、以下のとおりです。

食材食物繊維たんぱく質食塩相当量脂質糖質
米みそ淡色辛みそ4.9g12.5g12.4g6.0g17g
米みそ赤色辛みそ4.1g13.1g13.0g5.5g17g
米みそ甘みそ5.6g9.7g6.1g3.0g32.3g
減塩みそ4.3g11.0g10.7g5.9g21.4g
米みそだし入りみそ4.1g11.0g11.9g5.6g16.5g
米みそだし入りみそ減塩4.9g10.3g9.7g5.1g17.3g

※参考:食品成分データベース

辛味噌は大豆の割合が多い味噌であり、甘味噌よりも塩分や脂質が多いですが、たんぱく質を豊富に含んでいます。

一方で、甘味噌は米麹の割合が多い味噌であり、食物繊維と糖質の量が増えています。

だし入り味噌は、お湯に溶かしてそのまま味噌汁が作れる商品です。

だし成分が含まれている分、味噌としての塩分が少し減っています。

商品によっては減塩と表記された味噌もありますが、減塩でも甘味噌と比べると塩分量が多い場合があります。

味噌を購入する際は、減塩などの商品名で判断するのではなく、栄養素の成分表を参考にしてください。

味噌は1日の摂取量を基準にして料理に合う種類を選ぶ

味噌の1日の摂取量目安は、大さじ1〜2杯です。

グラム数で考えると、大さじ1杯あたりが約18gであるため、1日で約36gまでが適量といえます。

味噌の種類については、塩分が少ない商品を選んだほうが良いですが、基本的には料理に合う種類を選んでも問題ありません。

先に示した味噌の栄養素の含有量は100g換算であるため、1日約36gまでの範囲である場合は塩分量が少し減ります。

そのため、1日の摂取量目安の範囲内である場合は、味噌のみで塩分の過剰摂取になる可能性は低いでしょう。

辛味噌は煮込み料理や炒め物、甘味噌は和え物や漬物などに使われています。

味噌を使い過ぎた場合は塩分過多による健康リスクが生じる

味噌のみで塩分の過剰摂取になる可能性は低いですが、ほかの食材や調味料と組み合わせた場合、塩分過多になる可能性があります。

塩分過多になった場合、高血圧や腎臓への負担、骨粗しょう症などの健康リスクが生じます。

研究結果では毎食味噌汁を飲んでも血圧の上昇は発生していませんが、味噌汁は家庭によって分量や具材が異なる料理です。

健康的だと思って味噌を多量に入れた味噌汁を作ると、ほかの食事の塩分量との合計で塩分過多が生じる可能性もあります。

1日の塩分摂取量は厚生労働省が出した日本人の食事摂取基準2025年版の基準で、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満が目安です。

普段から使う味噌の量と食材からおおよその塩分量を考えて、塩分の摂取量を調整しましょう。

味噌を使った料理で血糖値と血圧を上昇させない工夫をする

効果的に取り入れる工夫

味噌の健康効果を取り入れつつ、料理としておいしく食べるには、以下の工夫を実践してみましょう。

  • 味噌の量を増やし過ぎないようにだしを増やして味をつける
  • 食物繊維やカリウムが多い具材を入れる

味噌汁を作る際にも使うだしはうまみ成分があり、糖質や脂質、塩分が少ない調味料です。

そのため、調味料による塩分を増加させずに、料理にしっかりとした味を付けられます。

食物繊維は血糖値の上昇を抑える効果、カリウムは体内の余分な塩分を排尿する作用で血圧の上昇を抑える効果が期待できます。

豆腐やわかめは食物繊維やカリウムを含んでいて、味噌汁の具材としても相性の良い食材です。

味噌汁以外の味噌料理でも、だしによる味付けや食物繊維、カリウムの多い具材を組み合わせてみてください。

味噌の栄養素や発酵成分を取り入れて血糖値の上昇を対策する

味噌は栄養素のたんぱく質や食物繊維、大豆の成分であるイソフラボンの効果から血糖値の上昇を抑える効果を発揮します。

ほかの栄養素や発酵成分でもさまざまな健康効果を得られるため、1日約30gまでの摂取量を目安に食事で味噌を取り入れると良いでしょう。

ただし、味噌は塩分も一定量含んでおり、使い過ぎると塩分過多になる可能性があります。

摂取量の範囲内で味噌を使いつつ、塩分過多を防ぎたい場合はだしによる味付けやカリウムの多い食材の摂取が効果的です。

毎日食べる料理としておいしさを確保しながら、味噌の栄養素や発酵成分で血糖値の上昇を対策していきましょう。

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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