食事をとると血糖値が上がります。
このとき活躍するのが「インスリン」というホルモンです。
インスリンはすい臓から分泌され、血液中のブドウ糖を体の細胞に送り込む役割を果たします。
つまり、インスリンがうまく働けば、食後の血糖値は自然と下がっていくのです。
インスリンが働かなくなるとどうなる?
近年問題視されているのが「インスリン抵抗性」。
これは「インスリンは出ているのに、体の細胞が反応しづらくなっている」状態を指します。
インスリン抵抗性があると、
- 食後の血糖値が下がりにくい
- すい臓が無理にインスリンを出し続け疲弊する
- やがてインスリンが足りなくなる(2型糖尿病リスク)
といった、血糖値の慢性的な悪化につながる要因になります。
インスリンの働きを助ける生活習慣
インスリンの働きを整えるためには、以下のような日常の工夫が有効とされています:
- 食べ物
-
食物繊維の多い野菜、低GI食品、発酵食品などを積極的に
- 食べ方
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野菜から食べる・ゆっくり噛む・過食を避ける
- 運動
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ウォーキングなどの有酸素運動がインスリン感受性を改善
- 睡眠・ストレス
-
睡眠不足や慢性ストレスはインスリン抵抗性を悪化させる
生活習慣の改善と並行して、注目されているのが植物由来の成分によるサポートです。
なかでも「アカシアポリフェノール」は以下のような特長があります:
- 糖の吸収を穏やかにする
- インスリンの働きをサポート
- 血糖値やHbA1cが気になる方に選ばれている
医師の間でも研究が進んでおり、インスリン抵抗性や食後血糖の乱れに不安を持つ方の新しい選択肢として注目されています。
糖尿病撃退の決め手になる!薬科大学・国立大学が注目する効果とは

厚生労働省の調査によると糖尿病が強く疑われる人の割合は年々増加しており、2019年には男性19.7%、女性10.8%と高い数値を示しています。
糖尿病対策は運動や食事など生活習慣の見直しが重要とされていますが、今注目を集めているのがアカシアポリフェノールです。
一般的に、ポリフェノールは体に良いという漠然としたイメージをお持ちの方も多いかも知れません。
一方で、ポリフェノールと糖尿病との関係について詳しく知っている人はまだ少ないはずです。
ポリフェノールの働きや血糖値との関係を解説すると共に、なぜその中でもアカシアポリフェノールが注目されているのかについてまとめました。
- 血糖値を下げる効果を持つポリフェノールの種類
- インスリンの効き目を高める仕組み
- 糖質の吸収を抑える性質
- アカシアポリフェノールの臨床試験結果
- ポリフェノール含有量の多い食品

フレンチパラドックスという諸説をご存じでしょうか?
フランス人は動物性脂肪の摂取量が世界トップクラスにも関わらず、冠動脈疾患による死亡率が低いというものです。
これはフランス人が日常的に愛飲している赤ワインに含まれるポリフェノールの効果であると考えられています。
そして、一部のポリフェノールには抗酸化作用のほか、インスリンの働きを促したり、糖分の吸収を抑制したりする効果もわかってきています。
血糖値を下げる効能を持つ「アカシアポリフェノール」




約8,000種類あるポリフェノールの中でも、血糖値を下げる効能について最近特に注目されているのがアカシアポリフェノールです。
アカシアポリフェノールはオーストラリアが原産であるアカシアの樹皮に含まれる成分で、ポリフェノールの中でも特に強い抗酸化作用を持ちます。
参考:アカシア樹皮ポリフェノールの肥満・糖尿病抑制作用 – 日本補完代替医療学会
アカシアポリフェノール最新研究データ
ここからは、薬科大学でおこなわれている最新の研究データをさまざまな角度からみていきましょう。
インスリンの働きを高めて空腹時血糖値を抑える作用




アカシアポリフェノールの効能で、まず注目すべきは「空腹時血糖値」と「食後血糖値」の両方を下げること。
ヒト臨床試験では、空腹時血糖値114以上(正常値は110未満)の方々を対象に、食事や運動量は変えずに、アカシアポリフェノールを4週間摂取したところ、空腹時血糖値が明らかに改善。その後も同じレベルに保たれました。
これらの要因として考えられているのは、アカシアポリフェノールが「インスリンの分泌をうながしたり、効き目を高める」という作用があること。
また、そのほかにも
- 筋肉のエネルギー燃焼を活性化する
- 脂肪の取り込みを抑制する
などの作用も発揮することで肥満の抑制にもつながり、その結果、インスリンの効き目が向上すると考えられています。
その結果、少ないインスリンの分泌量でも血糖値コントロールがおこないやすくなり、すい臓への負担が軽くなることが示唆されています。


糖の分解を抑える




アカシアポリフェノールは、食事で摂った糖質の体内への吸収を抑える作用も確認されてます。
具体的には、糖の分解をおこなう成分をアカシアポリフェノールが抑制してくれるため、糖分が分解されにくく、血液中への吸収を抑える作用です。
そのため、糖質の多い白米、麺類、パンなどの主食やお菓子を食べても食後血糖値が上がりにくくなるわけです。
血圧を下げる




薬科大学によると、血圧が正常高値(上の血圧が130~139以下)の男女66名を対象とした臨床試験で、アカシアポリフェノールを摂った人たちは4週間で血圧が正常化。その後も良好な数値が保たれました。
高血圧の改善にアカシアポリフェノールが役立つ理由として考えられるのは、すぐれた抗酸化力です。
血管壁の細胞をサビつかせる活性酸素が除去されると、血管の老化が抑えられます。
同時に、末梢血管を広げて、血圧を下げる血液中のNO(一酸化窒素)というガスを、アカシアポリフェノールが活性酸素から保護するのです。
それによって血管が柔らかく広がると、血流がサラサラに改善。血圧もおだやかに下降します。
さらにわかっているのが、アカシアポリフェノールは、血管を縮めて血圧を上げるACE酵素の働きを阻害してくれる作用があること。
同じ効果を持つ緑茶のカテキンの約12倍、サツマイモの茎葉の2.6倍の活性値(ACEの働きを半分にする値)を示すと報告されています。
中性脂肪を抑える




薬科大学の研究で、アカシアポリフェノールを与えたマウスは、高脂肪食のエサを与えても、肝臓内の中性脂肪とコレステロールの蓄積が減ることがわかりました。
成人男性にアカシアポリフェノールを摂取してもらい、高脂肪の食事をした後、中性脂肪の値を調べる実験でも注目のデータが判明。
食後2~3時間でピークに増えて、ドロドロ血液を引き起こす中性脂肪が、やはり低めに抑えられたのです。
アカシアポリフェノールが肝臓での脂肪分解を活性化させて、血液中にあふれないようにすることが、その理由と考えられます。
脂肪のエネルギー燃焼を促進
薬科大学によれば、アカシアポリフェノールをマウスに与えると、高脂肪のエサでも皮下・内臓脂肪がつきにくいと判明。
アカシアポリフェノールが肝臓における脂肪の合成を抑えつつ、脂肪のエネルギー燃焼まで高めることが理由とされています。
肥満の男女がアカシアポリフェノールを8週間摂取した試験でも、内臓脂肪が大幅に減りました。


アカシアポリフェノールを摂取して8週間目で30%以上減少
内臓脂肪が減ると、インスリンの効き目がより高まって、血糖値も下がりやすくなります。
アカシアポリフェノールが含まれる食品
まさに血糖値に悩む人の救世主とも言えるポリフェノールですが、このアカシアポリフェノールを摂取するにはどうすればよいのでしょうか?
アカシアポリフェノールは文字通り、アカシアの樹皮から採取できるポリフェノールですので、その摂取方法はサプリメントなど加工された状態での摂取となります。
一般的な食品からの摂取は難しいでしょうか?
アカシアポリフェノールには、プロアントシアニジンという抗酸化成分が多く含まれています。
このプロアントシアニジンを多く含んでいるのが、ブルーベリーやぶどうの種皮になりますが、それぞれのプロアントシアニジンの含有量は極めて微量です。
また、フルーツ自体に多くの糖分を含んでいるため、血糖値を気にする人には逆効果となる場合もありますので、過剰摂取は避けた方が良いでしょう。
ブルーベリーやブドウを毎日食べ続けると、月間で1万円以上の出費となりますが、サプリメントや機能性表示食品であれば、数千円のコストに抑えられますので経済面で考えても、そのほうが良いでしょう。
プロアントシアニジンが含まれる食品は以下となりますが、血糖値抑制に効果を期待する場合、プロアントシアニジンの1日あたりの推奨摂取量は150mg前後(個人差はありますが50~250mg)と考えられています。
食品 | プロアントシアニジン含有量(100gあたり) | 1日あたりの必要摂取量 | 糖分 | カロリー |
---|---|---|---|---|
アカシアポリフェノール | 500mg | 30g | 0g | 10kcal |
赤ワイン | 35~60mg | 2.5~4杯 | 6~12g | 150~350kcal |
ブルーベリー | 20~50mg | 200~500粒 | 30~75g | 150~375kcal |
ぶどう | 10~30mg | 5~15房 | 75~225g | 300~900kcal |
りんご | 2~10mg | 10~50個 | 1500~7500g | 750~3750kcal |
アカシアポリフェノールの第一人者に聞く
薬科大学や国立大学で数多くの研究がなされているアカシアポリフェノールについて、モナッシュ大学工学部化学工学科名誉主任研究フェローで理学博士の矢崎義和先生に聞きました。
矢崎義和 博士


1969年 | 東京教育大学大学院理学研究科博士課程終了 |
---|---|
オーストラリア連邦科学産業研究機構林産研究所研究員 | |
2000年 | モナッシュ大学工学部化学工学科名誉主任研究フェロー |



生命力豊かなアカシアの可能性を知り、長年研究をおこなっています。
今では、さまざまな研究機関で、糖尿病や血糖値の上昇を穏やかに導く天然成分として注目が集まっており、今後ますますの発展に期待しています。




ポリフェノールの抗酸化作用は有名ですが、そのなかでもアカシアポリフェノールの抗酸化作用はとても高いことが判明しています。



お茶に含まれるカテキンは抗酸化力の高い有名な成分ですが、アカシアポリフェノールは、お茶カテキンの6倍以上と驚きのデータでした。
この優れた抗酸化作用によって血管壁のサビつきが抑えられて、柔軟性のある健康的な血管を保つと考えられています。
血糖値を下げる効能を科学的に実証
アカシアポリフェノールの研究は、薬科大学や国立大学でも進んでおり、さまざまな発表が相次いでいます。
その結果、インスリンの効き目を高めて血糖値とヘモグロビンA1cを下げるなど、アカシアポリフェノール独自の効能が明らかになりました。



アカシアポリフェノールが血圧を下げる、内臓脂肪を減らすなど、新たな報告も続々と届いています。
糖尿病によいことをアピールする健康成分は、世に多数あふれていますが、アカシアポリフェノールがそれらと一線を画す理由は、「なぜ血糖値が下がるのか」というメカニズムが、複数の研究で科学的に実証されている点なのです。
その幅広い効能には、私自身、目をみはるばかりです。
インスリンの分泌を促し、効き目を高める


別の研究では、糖尿病の境界型と診断された方17名がアカシアポリフェノールを8週間摂取したところ、食後血糖値の上昇が抑えられる結果となりました。



アカシアポリフェノールは、「筋肉のエネルギー燃焼を活性化する」「脂肪の取り込みを抑制する」などの作用もあるのですが、これらの作用がインスリンの効き目を高めることにつながっています。
糖尿病の患者さんの多くは、運動不足・肥満などが原因で、インスリンの効き目が悪くなっているケースがありますので、アカシアポリフェノールのこの作用はとても頼もしい効果と言えますね。
糖質の吸収を抑えて食後血糖値を改善


食事で摂った糖質の体内への吸収を抑える作用があると報告がありますが、これはどういったメカニズムなのでしょうか?



糖分を摂取すると、アミラーゼなどの酵素が働き、体内へ吸収されやすいように分解されていきます。
アカシアポリフェノールはこれらの分解酵母の働きを抑えることがわかっています。
その結果、血液中へ糖が吸収されるのを抑制してくれるのです。
まとめ
ポリフェノールの中には、血糖値の抑制や、糖質の吸収を抑える作用成分が含まれていますが、中でも「アカシアポリフェノール」が糖尿病予防に効果的であることが多くの研究で明らかになっています。
アカシアポリフェノールに近い働きをする食品として、ブルーベリーやぶどうの種皮が挙げられますが、血糖値抑制の必要量を摂取する前に、フルーツに含まれる糖分やカロリーの過剰摂取で逆効果になってしまう点に注意が必要です。
経済面と効率面で考えてもアカシアポリフェノールを含んだサプリメントや機能性表示食品を活用するのが良いでしょう。
立場上、特定の商品をオススメすることが出来ませんので、インターネットで検索してお探しいただければと思います。
本レポート記事が参考になれば幸いです。