糖尿病

糖尿病について

糖尿病について

血液中の糖分(ブドウ糖)が多い状態が、糖尿病です。糖尿病になると、ブドウ糖を細胞が上手に取り込めず、血中で過剰になります。血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化を進行させ、全身の重篤な合併症を引き起こす恐れがあります。日本国内での糖尿病罹患者は、増加の一途を辿っています。合併症を防ぎ、質の高い生活を送り続けるためにも血糖値の適切なコントロールと適切な糖尿病の治療を行うことが重要です。当院では、糖尿病専門医による糖尿病治療を行っております。お気軽にご相談ください。

このような症状はありませんか?

  • 急に太り始めた
  • 急に痩せ始めた
  • 喉が渇く
  • 身体のむくみが気になる
  • 視力低下
  • 健康診断などで「血糖値の異常」を指摘された
  • 甘いものを無性に食べたくなる
  • 残尿感がある
  • 下腹部がかゆい
  • トイレによく行く(頻尿)
  • おしっこ(尿)の量が多い
  • 手足がしびれる
など

上記の症状がある方は、糖尿病の可能性があります。糖尿病は放置することで様々な合併症を引き起こすと言われています。些細なお悩みや症状でも早めにお近くのクリニックを受診するようにしましょう。

糖尿病に関する相談

糖尿病の原因

糖尿病の原因は、糖尿病の種類により異なります。
1型糖尿病の場合は、何らかの原因で膵臓のβ細胞が壊されることで起こりますが、明確な原因は解明されていません。
一方、2型糖尿病の場合は、遺伝的な体質に生活習慣(過食や運動不足)、肥満、ストレスなどの環境的要因が加わることで発症するとされています。
その他、遺伝子異常や他の疾患、あるいは他の疾患で服用した薬剤により糖尿病を発症するケース、また妊娠中に糖代謝異常が生じたために糖尿病を発症することもあります。

1型糖尿病の原因

1型糖尿病は、自己免疫疾患によって引き起こされます。体の免疫系が誤って膵臓のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)を攻撃し、破壊するため、インスリンがほとんど分泌されなくなります。その結果、血糖値が高くなり、糖尿病が発症すると言われています。

自己免疫反応

1型糖尿病の主な原因は、免疫系が自己の膵臓のβ細胞を「異物」として認識し攻撃することです。この自己免疫反応によって、インスリン分泌が著しく低下または完全に停止すると言われています。

ウイルス感染

特定のウイルス感染(例:風邪など)が免疫系を刺激し、1型糖尿病の発症に関連している可能性があるとされています。ウイルスによって免疫系が過剰に反応し、膵臓のβ細胞を攻撃することが示唆されています。1型糖尿病は通常、思春期や若年成人に発症することが多く、急激な症状の進行が特徴となります。

1型糖尿病の発症の原因として遺伝は特殊なケースであり、生活習慣も発症とは無関係であるという点が、2型糖尿病との大きな違いとも言えます。

2型糖尿病の原因

2型糖尿病は、主にインスリンの作用が低下すること(インスリン抵抗性)またはインスリンの分泌が不足することにより、血糖が適切にコントロールされなくなる病気です。2型糖尿病は生活習慣が大きく影響する病気と言われています。

インスリン抵抗性

2型糖尿病の最大の原因は、体内の細胞がインスリンに対して反応しにくくなることです。インスリン抵抗性が高まると、インスリンが分泌されても、体の細胞(特に筋肉や脂肪細胞)が糖を取り込むことができなくなります。その結果、血糖値が上昇します。

インスリン分泌の低下

2型糖尿病の初期にはインスリンが過剰に分泌されることがありますが、長期的には膵臓のβ細胞がインスリンを十分に分泌できなくなり、血糖値をコントロールできなくなると言われています。

肥満

肥満は2型糖尿病の最も重要な危険因子です。特に腹部肥満(内臓脂肪)は、インスリン抵抗性を高める原因となります。脂肪細胞が多くなると、体内で炎症が起き、これがインスリンの効き目を悪化させます。

不適切な食生活

高カロリーで栄養バランスの取れていない食事(高脂肪・高糖質食品が多い食事)や過食は、肥満やインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病の発症リスクを高めます。

運動不足

運動不足は筋肉量の減少を招き、筋肉が糖を取り込む能力が低下するため、インスリンの効果が悪化します。また、運動不足は肥満を引き起こし、糖尿病のリスクをさらに増加させます。

遺伝的要因

2型糖尿病には強い遺伝的要因があります。家族に糖尿病患者がいる場合、発症のリスクが高まります。遺伝子がインスリンの分泌やその作用に関与していることが明らかになっています。

加齢

年齢が高くなるほど、2型糖尿病の発症リスクが高くなります。加齢に伴い、インスリン分泌の能力が低下したり、インスリン抵抗性が増すことで2型糖尿病を発症すると言われています。

高血圧や高コレステロール

高血圧や脂質異常症(高コレステロールや高トリグリセリド)は、2型糖尿病の発症リスクを高めることが分かっています。これらの状態が血管に負担をかけ、糖尿病の合併症を引き起こす要因にもなります。

ストレス

精神的・肉体的なストレスも糖尿病の発症に影響を与えるとされています。ストレスホルモンが分泌されることで、血糖値が上昇し、インスリンの効き目が悪くなることがあります。

糖尿病の種類

糖尿病は、1型と2型に分類されます。

1型糖尿病

インスリンを生成する膵臓のβ細胞が破壊されることで、インスリン分泌が減少して糖尿病を発症します。インスリンは、血糖値を下げる機能があるホルモンです。次第にインスリンの分泌がなくなってしまうため、血糖値が異常に増加してしまいます。この場合、危険な状態に陥る恐れがあるため、厳密な血糖値のコントロールが必要となります。
1型糖尿病の治療は、主にインスリンを補充する治療を行います。インスリンを適切に補充して血糖値をコントロール出来れば、発症前と同様の生活を過ごすことができます。場合によっては、膵臓移植を検討します。

2型糖尿病

日本国内における糖尿病罹患者の約95%が、2型糖尿病です。過食や運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣のほか、加齢や遺伝的要因が影響しているとされています。また、食後高血糖と呼ばれる「かくれ糖尿病」は、健康診断で見逃されやすく、病気が進行してから発見されることが多いため注意が必要です。膵臓が分泌するインスリンが足りなくなると、ブドウ糖をうまく取り込めなくなり、血中にブドウ糖が溢れてしまいます。
2型糖尿病の治療は、食事療法と運動療法を行い、改善が見られない場合は内服薬治療やインスリン投与治療など、薬物療法を行います。しっかりと血糖値のコントロールを行うことで、病気の進行及び合併症を予防します。また、血糖値に加えて、体重や脂質・血圧なども適正数値を維持することも重要です。

その他疾患・薬剤による糖尿病

生活習慣によるものだけでなく、遺伝子異常や他の疾患、あるいは他の疾患で服用した薬剤により糖尿病を発症することもあります。

妊娠糖尿病

妊娠前は正常な血糖値を保っていたにもかかわらず、妊娠中に糖代謝に何らかの異常が生じ、糖尿病を発症することもあります。妊娠中の糖尿病は胎児にも影響を与えるため、適切な指導を受ける必要があります。当院では、糖尿病専門医である女性医師が診療を行っております。女性の方でも安心して、気軽に相談していただきやすい環境にあるかと思います。肥満や高齢出産、ご家族に2型糖尿病の方がいる、など糖尿病発症のリスクを抱えた方はお気軽にご相談ください。

糖尿病の初期症状

1型糖尿病は急激に発症し、症状も早期に現れることが多いのに対し、2型糖尿病は症状が緩やかに現れ、初期には自覚症状が少ないことが特徴です。1型糖尿病・2型糖尿病どちらのタイプでも、症状を早期に発見し、適切に治療することが合併症を防ぐために重要です。糖尿病のリスクがあると感じた場合や、初期症状を感じた場合は、早期に医師に相談することが大切です。

1型糖尿病の初期症状

1型糖尿病は、自己免疫反応によって膵臓のインスリンを分泌する細胞(β細胞)が破壊されることで発症します。1型糖尿病は、急速に進行することが知られており、初期症状も突然現れると言われています。

①頻尿と強い喉の渇き

血糖値が非常に高くなると、体は余分な糖を尿として排出しようとします。そのため、尿の量が増え、頻繁にトイレに行くようになります。また、体が水分を失うため、異常に喉が渇き、水分を大量に摂取したくなります。

②急激な体重減少

食事を摂っても体重が減少するのは、インスリンが不足しているため、血糖が細胞に取り込まれず、エネルギー源として利用できないからと言われています。体は代わりに脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得ようとし、急激に体重が減少します。

③極度の疲労感・倦怠感

エネルギーが細胞にうまく取り込まれないため、体全体がエネルギー不足に陥り、強い疲れやすさ、倦怠感を感じます。

④視力のぼやけ

血糖値が急激に上昇すると、体内の水分バランスが崩れ、目の水晶体が膨張して視力がぼやけることがあります。

⑤ケトアシドーシス(重篤な状態)

1型糖尿病は、進行が早く、ケトアシドーシスという命に関わる状態に陥ることがあります。インスリン不足により、体がエネルギー源として脂肪を使い、ケトン体が血液中に溜まることで酸性度が増し、吐き気や嘔吐、深く速い呼吸、昏睡などが現れることがあります。

これらの症状は、急激に進行するため、1型糖尿病が疑われる場合は速やかに医師の診断を受けることが重要です。

1型糖尿病に関する相談

2型糖尿病の初期症状

2型糖尿病は、主に生活習慣(食事の偏り、運動不足、肥満など)によって引き起こされ、インスリンの分泌が不十分になるか、インスリンの効果が低下することによって発症します。2型糖尿病は、1型糖尿病に比べて症状が緩やかに現れると言われており、初期段階では自覚症状が少なく、長期間気づかないことが多い病気となります。

①頻尿と喉の渇き

血糖値が高くなることで、尿量が増加し、頻繁にトイレに行くようになります。体が脱水状態になるため、喉が渇き、水分を欲するようになります。

②軽い疲れやすさ

エネルギーの利用効率が悪くなるため、軽い疲労感やだるさを感じやすくなります。日常生活に支障をきたすほどの疲れはないものの、徐々に体力が低下することがあります。

③視力のぼやけ

1型糖尿病ほど急激ではないものの、血糖値が高い状態が続くことで視力に影響が出ることがあります。目の水晶体が膨張してぼやけた視界を感じることがあります。

④手足のしびれや感覚異常

長期間高血糖の状態が続くことで、神経がダメージを受け、手足のしびれや感覚の鈍さを感じることがあります。

⑤傷が治りにくい

高血糖が血液の循環を悪化させ、傷や切り傷が治りにくくなることがあります。感染症を引き起こしやすく、傷が悪化することもあります。

⑥体重の変動

2型糖尿病では、体重が増加することが一般的ですが、逆に体重が減少することもあります。特に肥満による2型糖尿病では、減量が始まることもありますが、これはインスリンの効果が悪化することによるものです。

2型糖尿病は、1型糖尿病よりも進行が緩やかであるため、初期症状に気づかず、そのまま放置してしまうことが多いです。しかし、糖尿病が進行すると、合併症が引き起こされるリスクが高まるため、定期的な健康診断や血糖値のチェックが非常に重要です。

2型糖尿病に関する相談

糖尿病の合併症

高血糖状態が続くと、高血糖すなわち増えすぎたブドウ糖が血管内部にある細胞(内皮細胞)に入り込み、そこで発生させる活性酵素により血管を傷つけてしまいます。糖尿病は、全身の動脈や毛細血管にまで影響が及び、様々な合併症を引き起こします。代表的な糖尿病の三大合併症として、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害が挙げられます。

糖尿病網膜症

網膜は、毛細血管が豊富にある組織のため、高血糖によってダメージを受ける血管が多くあります。動脈硬化によって血流が滞ることで、酸素や栄養不足が生じて網膜剥離や出血を起こす恐れがあります。場合によっては、失明に至ることもあり、日本における中途失明の主な原因にもなっています。このため、糖尿病と診断されたら、糖尿病の治療とともに、定期的に眼科専門医を受診することをお勧めしております。

糖尿病性腎症

腎臓にある糸球体の毛細血管がダメージを受けて、尿が生成されずに腎不全を起こすことがあります。病状が進行すると、人工透析が必要になってしまいます。人工透析となる主な原因として、糖尿病性腎症が挙げられます。

糖尿病神経障害

手足の痺れや痛みに対して鈍くなるなどの症状があらわれます。その他、便秘や下痢、立ち眩み、発汗異常、顔面神経麻痺、勃起不全(ED)などを引き起こします。

かくれ糖尿病

食後の血糖値が高くなる状態を「かくれ糖尿病」と言います。健康診断では、通常空腹時の血糖値を調べるだけなので、通常食後の血糖値は確認しません。このため、発見する機会を失いやすく「かくれ糖尿病」と言われる所以になっております。「かくれ糖尿病」は、見逃すケースが多く、ほとんどの場合進行してから発見されます。このように、空腹時の血糖値が正常でも、食後の血糖値が高いケースもあり、一般的な糖尿病同様に動脈硬化の進行リスクが高いほか、心筋梗塞の発症リスクも高いことが分かっており、一般的な糖尿病同様に適切な治療が必要とされています。

かくれ糖尿病を早期発見するために

「かくれ糖尿病」は、病状が進行すると空腹時でも血糖値が上昇し、常に高血糖状態となります。このため、通常の健康診断では見つけにくい「かくれ糖尿病」を早期発見するには、空腹時血糖値が100mg/dL以上、又はHbA1c(国際基準値)が5.6以上の段階で食後血糖値の検査を受けることをお勧めしております。かくれ糖尿病は、見つかった時にはかなり病状が進行しているケースが多く、この場合治療が困難となることがあります。重篤な合併症を防ぐためにも、気になることがありましたら、まずは当院までご相談ください。

糖尿病の治療・予防

糖尿病と診断された方、あるいは糖尿病にならないためには、適切な生活習慣を送ることが重要です。また、血糖値を適切な範囲でコントロールしていくために下記のことに特に注意してみましょう。

食事療法

糖尿病は糖(ブドウ糖)が過剰になることなので、身体に取り込む糖の量を適切にコントロールことが重要になります。また、ただ単に量を減らすのではなく、バランスの取れた食事を適量取ることが重要になります。

運動療法

運動療法

運動する際には、糖をエネルギーとして消費します。そのため、適度な運動を継続的に行うことが重要になります。さらに、適度な運動を継続的に行い、筋力をつけることは糖を身体に取り込みやすくし、脂肪も燃焼させやすくするため、糖尿病だけでなくその他生活習慣病などの疾患においても重要です。

薬物療法

糖尿病に使用する薬剤には、経口摂取するものや注射タイプのものまで様々なものがあります。いずれの場合も基本的に、インスリンの分泌を促し、接種した糖の分解や吸収を遅らせ、糖の排泄を促す効果が見込めます。特に、自己注射など慣れるまで難しいかと思いますが、当院では糖尿病専門医が分かりやすく、丁寧に患者様が安心して治療に臨めるように心がけます。ご不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください。

糖尿病に関するご相談

糖尿病の状態を放置し血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化を進行させ、全身の重篤な合併症を引き起こす恐れがあります。そのため糖尿病が疑われる場合や、不安がある場合には、速やかに糖尿病専門医に相談し、適切な検査と治療を受けることをおすすめしています。糖尿病に関して些細なご不安がございましたら、四ツ谷駅から徒歩5分の四谷内科・内視鏡クリニックまでご遠慮なくご相談ください。

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