高尿酸血症(痛風)

痛風と高尿酸血症について

痛風と高尿酸血症について

血液中の尿酸値が高い状態が、高尿酸血症です。一方、血中で過剰になった尿酸が、針状の結晶となり関節に溜まって炎症が起きているのが痛風です。痛風発作が起こると、強い痛みに襲われるほか、尿路結石や腎臓疾患を引き起こしやすいとされています。さらに、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを高めます。このため、治療を継続して行うことが重要です。

高尿酸血症の原因

尿酸はプリン体によって生成されます。このため、プリン体を多く含む食材の過剰摂取には十分な注意が必要です。また、アルコールも尿酸値を上げるため、高尿酸血症の発症リスクが高まります。さらに、代謝異常や腎臓機能低下が原因で発症することもあります。

痛風発作について

痛風発作が起こると、足の親指に激しい痛みが起こります。発作が起こってから数日または2週間程強い痛みが続きます。発作の最中は尿酸値が不明なため、発作による痛みや炎症が治まってから高尿酸血症の治療を行います。発作中に治療すると、症状を悪化させることがあるため注意が必要です。

尿酸は「血管の健康」を測る
バロメーター

尿酸と聞くと尿検査をイメージしがちですが、実際には血糖値などと同じく血液検査で調べます。尿酸は体に必要な「抗酸化物質」としての側面もありますが、多すぎると血管に炎症を起こし、動脈硬化を加速させてしまいます。

覚えておきたい
「6・7・8のルール」

尿酸値には、健康を守るための明確なラインがあります。

尿酸値
維持したい目標値
概要と期待される効果
5.0 mg/dL 以下 より早く(数か月〜半年)尿酸の結晶が溶け始める
6.0 mg/dL 以下 血管への悪影響が出にくい理想的な数値
数か月〜1年程度で微細結晶が減少し始める
7.0 mg/dL 以下 高尿酸血症(診断名がつく段階)
関節に尿酸の結晶がたまり始める
生活習慣の見直しが必要
8.0 mg/dL 以下 治療を検討する段階
腎障害、高血圧、糖尿病などの合併症がある場合は、お薬による治療の対象
9.0 mg/dL 以下 薬物治療の対象
合併症の有無にかかわらず、薬で数値を下げる必要あり
慢性痛風
トファス(結節)がある場合
完全消失には 1〜3年かかることが珍しくない

尿酸の結晶は「雪が溶けるように」ゆっくり減っていくイメージで、尿酸値が低いほど結晶の溶けるスピードが速くなると言われています。そのため、尿酸値を素早く下げることが症状の緩和にも繋がります。

痛風だけじゃない!
高尿酸血症の本当の怖さ

血管が「イガグリ」で傷ついている!?

血液中に溶けきれなくなった尿酸は、鋭いトゲを持つ「イガグリ」のような結晶(尿酸塩結晶)になります。これが関節ではがれると激痛の「痛風発作」になりますが、恐ろしいのは痛みだけではありません。
この結晶が血管の壁をガリガリと傷つけることで、全身の血管に炎症が起き、動脈硬化や腎臓病(痛風腎)のリスクを高めてしまうのです。

メタボと尿酸の深い関係

内臓脂肪が蓄積すると、体内で尿酸がつくられるスピードが上がる一方で、排泄する力が弱まってしまいます。「お腹周りが気になってきた」という方は、同時に尿酸値も上がりやすい状態にあると言えます。

注意したい
尿酸を増やす生活習慣

尿酸は、細胞の新陳代謝(リサイクル)と、食品からの摂取という2つのルートで作られます。

  • 激しい筋トレ
    筋肉痛になるほどの激しい運動は、細胞が壊れる過程で尿酸値を一時的に引き上げます。
  • アルコールと水分不足
    お酒そのものが尿酸の産生を促し、排泄を邪魔します。
  • プリン体の多い食事
    細胞がぎっしり詰まった食品には要注意です。

【要注意】
プリン体が多い食品リスト

食品カテゴリー 代表例
肉類(内臓系) 鶏レバー、牛レバー、豚レバー
魚介類 マイワシ(干物)、マアジ(干物)、カツオ、エビ
珍味・その他 アンコウ肝(酒蒸し)、クロダイ(白子)

※高尿酸血症の方は、1日のプリン体摂取量を400mg程度に抑えることが推奨されています。

今日からできる対策

尿酸値を下げるためには、まずは「6.0 mg/dL以下」を目指す意識が大切です。

  1. 食事の見直し:レバーや干物などプリン体の多い食品を控える。
  2. 節酒:ビールだけでなく、アルコール全体を適量に。
  3. 水分補給:尿から尿酸を排泄しやすくするため、こまめに水を飲む。
  4. 適度な有酸素運動:激しすぎる筋トレよりも、ウォーキングなどの軽い運動が効果的です。

「痛みがないから」と放置するのが一番の危険です。
数値が気になる方は、ぜひ一度当院へご相談ください。血管の健康を一緒に守っていきましょう。

高尿酸血症の治療

まず、血液検査で血清尿酸値を調べます。血清尿酸値が7.0mg/dl以上の場合、治療を行います。急激に尿酸値を下げると痛風発作を招くため、尿酸値コントロールは少しずつ行うことが重要です。

食事療法

プリン体を多く含む食品を避け、尿酸値の上昇を防ぎます。ビールを始めとするアルコールは控えてください。また、カロリーコントロールを行って適正体重を維持することや肥満解消が重要です。

運動療法

血中の尿酸値を急上昇させる激しい運動は、控えてください。運動を行う際は、医師と相談の上、運動メニューを決めて行ってください。

薬物療法

薬物療法

必要に応じて薬物療法を行います。痛風発作の経験や痛風結節の有無、血清尿酸値数など様々な要因を考慮した上で、尿酸生成抑制薬や尿酸排泄促進薬などを用いて治療を行います。ただし、尿酸値を急激に下げると痛風発作を起こしてしまうので、少しずつ下げることが重要です。目標尿酸値は6.0mg/dl以下とします。

TOPへ