胃痛時に飲む薬について

胃痛時に飲む薬について

胃痛を改善するためには、生活習慣の改善に加え、薬により原因を抑制することが必要です。胃痛を引き起こす要因は様々あるため、それぞれに適した薬を選択します。このページでは、胃痛の際に使用する薬の種類や、市販薬の有効性について解説していきます。

胃痛時に薬は飲むべき?

薬は用法容量を正しく守り服用する必要がありますが、胃痛の際にはそれらを守ったうえで基本的に薬を服用すべきと言えるでしょう。特に、医師により処方された薬(処方箋薬)は、医師の指示に従い服用することが重要です。医師の指示よりも多い量を服用したり、服用頻度を守らず使用することは非常に危険であるため、絶対にやめましょう。

胃痛の際に服用する薬

胃痛が起きた際に選択肢となる薬は数多く存在しますが、ここでは当院が処方する薬の代表例をいくつかご紹介します。

①PPI

タケキャブ ネキシウム パリエット オメプラゾール

PPIは胃酸の分泌を抑制する薬です。胃酸の過剰分泌により、胃痛が引き起こされている際に使用します。現代の医療において、胃痛に対し処方する薬の最もポピュラーな薬であると言えます。

➁H2ブロッカー

ファモチジン アシノン ラフチジン プロテカジン

上記はそれぞれH2ブロッカーという種類に属する薬です。胃酸分泌抑制作用があり、胃粘膜を保護することで胃痛の改善を図ります。

③消化管運動促進薬

ガナトン セレキノン ナウゼリン プリンペラン

ガスモチンは所謂「消化管運動促進薬」と呼ばれる薬で、胃腸機能を亢進する作用があります。胃腸の働きが弱っている際に使用し、適正な状態に近づけることで胃痛を改善します。

④機能性ディスペプシア治療剤

アコファイドはFD(機能性ディスペプシア)と呼ばれる胃痛を引き起こす疾患に使用する薬です。このアコファイドは胃カメラ検査を実施し、FDと診断された患者(器質的な異常が認められなかった)に処方されます。

機能性ディスペプシアについては、下記に詳しく記載しています。

機能性ディスペプシア

⑤漢方薬

小柴胡湯(ショウサイコトウ)、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)、四逆散(シギャクサン)、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)、六君子湯(リックンシトウ)、安中散(アンチュウサン)など

漢方薬も慢性胃炎や機能性ディスペプシアの治療に適します。小柴胡湯は、漢方でいう胸脇苦満(みぞおちの張りや圧痛)をめやすに体力が中くらいで、口が苦い、食欲がないといった症状のあるときに向きます。もし、同様の証(体質)で胃痛があるのなら柴胡桂枝湯や四逆散を用いるとよいでしょう。半夏瀉心湯は、もたれ、吐き気、ゴロゴロ、下痢など湿性の胃腸症状に広く使われます。六君子湯は、寒がりで体力があまりない寒・虚証向けの方剤です。漢方薬の代表的な胃薬で、病院でもよく処方されています。その名前は6種の優れた生薬からできていることに由来し、食欲不振、もたれ、吐き気、胃痛などの不快な症状を改善します。安中散は、胸やけや胃痛に向く方剤です。

市販薬の効き目は?

胃痛は日常的に起こる症状でもあるため、市販薬を服用して症状を和らげる習慣が付いている方も多いのではないでしょうか。市販薬では、ガスター10や武田漢方胃腸薬など、胃痛改善を期待できるものが多くあるため、軽度の症状であれば服用を推奨します。ですが、市販薬も服用を長期間継続すると副作用が発生する恐れもあるうえに、効き目が弱くなる可能性があります。この点には注意が必要であると言えるでしょう。

また、

  • 市販薬を飲んでも症状が治まらない
  • 長期間胃痛が続いている
  • 激しい痛みを伴う
  • その他にも症状がある(発熱・悪寒・全身倦怠感・吐き気など)

これらに該当する方は、何らかの疾患が潜んでいる可能性が考えられるため、市販薬の服用を中止し、すぐに病院に行くようにしましょう。

胃痛を適切に治療するためには、薬の服用は必要不可欠です。自己判断を市販薬でも効果を感じられない場合には、自己判断することなく医療機関を受診しましょう。

当院は、胃痛を含む消化器症状の診療や、内視鏡検査に力を入れて取り組んでいます。胃痛の診察や、内視鏡検査を受けることを検討されている方は、お気軽にご相談ください。

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